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仕事のストレスが糖尿病リスクを45%上昇させる ストレス対処が必要
2014年08月22日

仕事のストレスが糖尿病を発症する危険性を高めることが明らかになった。「ストレスに対する対処法を知っておくことが必要です」と、研究者はアドバイスしている。
糖尿病は発症成因から大きく「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分けられる。日本人の糖尿病の約95%を占める2型糖尿病の発症要因は、従来は「肥満」や「運動不足」、「食生活」などの生活スタイルが中心と考えられていたが、現在ではこれに加え「ストレス」の影響も大きいことが分かっている。
5人に1人が強いストレスを感じている
強いストレスを感じている人は、糖尿病を発症する確率が45%高くなることが、ドイツのミュンヘン ヘルムホルツ センターの調査で明らかになった。
研究は、29~66歳のドイツ在住の労働者5,337人が参加して行われた。調査開始時には参加者の全員が2型糖尿病を発症していなかったが、平均13年間の追跡期間中に約300人が新たに糖尿病と診断された。
職場で過大な仕事を要求されて強いプレッシャーを感じている人では、そうでない人に比べ、2型糖尿病を発症するリスクが45%上昇することが明らかになった。
肥満・年齢・性別などの要因の影響を取り除いて解析した後でも、仕事のストレスと糖尿病とは関連があることが示された。肥満のない人でも、ストレスが多いと糖尿病の発症率は上昇していた。
「研究に参加した労働者のうち、5人に1人が高いレベルのストレスを感じていました。仕事の要求は高いのに、仕事内容について自己決定して処理することが許されないような仕事に就いていました」と、研究を主導したカールハインツ ラドウィッグ教授は言う。
ストレスが血糖値を上げるホルモンを増やす
女性を対象としたカナダの労働・医療研究所の研究でも同様の結果が示されている。研究チームは、糖尿病を発症していない35~60歳の女性7,443人を対象に平均9年間追跡して調査した。
その結果、仕事のストレスが多い女性は、そうでない女性に比べ、2型糖尿病を発症するリスクが2倍に上昇するという結果になった。
ストレスが加わると、それに反応してさまざまなホルモンが分泌される。血糖値を下げるホルモンはインスリンだけだが、それ以外には血糖値を上昇させる作用のあるホルモンが多い。
ストレスを感じると交感神経が活発になり、血糖を上昇させるグルカゴンやアドレナリン、甲状腺ホルモンなどが働き、血糖値が上昇しやすくなる。過剰なストレスにより分泌量が増えるコルチゾールも、血糖値を上昇させる。
ストレスに対する対処法を知ることが大切
「ストレスが加わることで、精神状態が悪化し、不安が増して気が滅入ってきて、過食や飲酒が増えがちになります。そうなるとストレスがさらに増し、血糖値が上昇するという悪循環に陥ってしまいます」と、労働・医療研究所のピーター スミス氏は説明している。
ストレスは精神疾患に影響すると考えがちですが、糖尿病のような慢性疾患にも影響します。ストレスが原因となり糖尿病のリスクが上昇するのを防ぐために、ストレスに対する対処法を学ぶ必要があります」と、スミス氏は指摘する。
ストレスコーピング(ストレス対処)は、ストレスの原因を明らかにしたり、ストレス反応をやわらげるための行動だ。
不安を感じること自体は誰もがもっている正常な反応で、環境から身を守るための防衛反応だ。そのため不安を感じているときは、早急な解決を考えずじっくりと対処することが重要となる。
米国糖尿病学会(ADA)は、ストレスコーピングの効果的な方法として、次のことを提案している。
ストレスコーピング 効果的な方法
・環境を変えてみる
ストレスを感じることは、生活スタイルのどこかを変えた方が良いというサインである可能性があります。日課として繰り返しているパターンを部分的に見直してみることが解決の糸口になることがあります。
たとえば交通渋滞を逃れるために通勤ルートを変えてみるといったことでも効果があるかもしれません。 ・運動をする
運動は効果的なストレス解消法になります。運動を続けている人は、運動をあまりしない人に比べると、ストレスへの対応力があることが明らかになっています。
できる範囲内で良いので、運動を習慣としてはじめ、少しずつ運動量を増やしていきましょう。 ・休養をとる
心身の疲労や倦怠を感じた時には、無理をせずに十分な休養をとりましょう。食事の栄養バランスや毎日の適切な運動量などにも注意が必要です。 ・趣味や娯楽をもつ
日常的な仕事や家事、勉強から離れて、精神を爽快にリフレッシュするような自分だけの趣味・娯楽や気晴らしをみつけましょう。 ・腹式呼吸をする
ストレスがたまったときの対策として、リラックスできる時間を日常生活の中にもつことも大切です。
ゆっくりと腹式呼吸をする、ぼんやりと窓の外を眺める、森林浴をする、ガーデニングをはじめる、ゆったりお風呂に入る、軽く体をストレッチする、好きな音楽を聴くなど、気軽にできることをやってみましょう。 ・主治医や専門家に相談する
自分で対応しきれない大きな問題を抱えた時には、自分ひとりで解決するにはかなりの時間と労力を要することになります。結果として心身の不調を招くことになりかねません。
そのような時には、信頼できる人や専門家に相談することが必要です。「よく眠れない」、「イライラすることが多くなってきた」、「憂うつ感が強くなってきた」というのは、こころの不調としてのストレスのサインのひとつです。
そうしたサインが出ている場合は、症状を詳しく主治医に話したり、早めに心療内科や精神科を訪れましょう。主治医に相談しづらい場合には、療養指導士や医療スタッフなど相談しやすい人に相談する方法もあります。
Work-related stress is a risk factor for type 2 diabetes(Helmholtz Zentrum Munchen 2014年8月8日)
ストレスを感じることは、生活スタイルのどこかを変えた方が良いというサインである可能性があります。日課として繰り返しているパターンを部分的に見直してみることが解決の糸口になることがあります。
たとえば交通渋滞を逃れるために通勤ルートを変えてみるといったことでも効果があるかもしれません。 ・運動をする
運動は効果的なストレス解消法になります。運動を続けている人は、運動をあまりしない人に比べると、ストレスへの対応力があることが明らかになっています。
できる範囲内で良いので、運動を習慣としてはじめ、少しずつ運動量を増やしていきましょう。 ・休養をとる
心身の疲労や倦怠を感じた時には、無理をせずに十分な休養をとりましょう。食事の栄養バランスや毎日の適切な運動量などにも注意が必要です。 ・趣味や娯楽をもつ
日常的な仕事や家事、勉強から離れて、精神を爽快にリフレッシュするような自分だけの趣味・娯楽や気晴らしをみつけましょう。 ・腹式呼吸をする
ストレスがたまったときの対策として、リラックスできる時間を日常生活の中にもつことも大切です。
ゆっくりと腹式呼吸をする、ぼんやりと窓の外を眺める、森林浴をする、ガーデニングをはじめる、ゆったりお風呂に入る、軽く体をストレッチする、好きな音楽を聴くなど、気軽にできることをやってみましょう。 ・主治医や専門家に相談する
自分で対応しきれない大きな問題を抱えた時には、自分ひとりで解決するにはかなりの時間と労力を要することになります。結果として心身の不調を招くことになりかねません。
そのような時には、信頼できる人や専門家に相談することが必要です。「よく眠れない」、「イライラすることが多くなってきた」、「憂うつ感が強くなってきた」というのは、こころの不調としてのストレスのサインのひとつです。
そうしたサインが出ている場合は、症状を詳しく主治医に話したり、早めに心療内科や精神科を訪れましょう。主治医に相談しづらい場合には、療養指導士や医療スタッフなど相談しやすい人に相談する方法もあります。
Work environment may put women at risk of diabetes: ICES study(Institute for Clinical Evaluative Sciences 2013年8月21日)
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