ニュース
1回の採血で13種類のがんを診断 次世代のがん診断技術を開発
2014年08月22日
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と国立がん研究センターなどは、血液から乳がんや大腸がんなど13種類のがんを早期発見する診断システムの開発をはじめると発表した。
国立がん研究センターによると、血液検査での早期発見を目指すのは、胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、肉腫、神経膠腫――の13種類。いずれも日本人の罹患者が多かったり、同センターが重点的に研究している疾患だ。 マイクロRNAとは、血液や唾液、尿などの体液に含まれる小さなRNAで、がんを発症すると血液中で種類や量が変動することが明らかになっている。さらに、こうした血液中のマイクロRNA量は、抗がん剤の感受性の変化や転移、がんの消失などの病態の変化に相関するため、全く新しい疾患マーカーとして期待されている。 研究では国立がん研究センターなどのバイオバンクに保存されている数十万検体の血清から、疾患の早期発見マーカーや、医療現場で必要とされるさまざまな疾患マーカーの探索を網羅的に行う予定だ。 日本人に多いがんの種類ごとに5,000人、計6万5,000人分の血液を解析し、がんの目印となるマイクロRNAを特定。数値を解析することで、がんの早期発見につなげる。 臨床現場で、体液(血清)中のマイクロRNAの抽出から検出までを全自動で、簡便・短時間に行える自動検査システムの開発を目指す。成功すれば、13種類のがん疾患や認知症の有無を1回の採血で診断できるようになる。 事業には、東レが開発した樹脂製のDNAチップを使用。東芝なども参加し、専用診断機器の開発を進めて産学官連携で、次世代のがん診断技術として開発する。

国立がん研究センター
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「がん」に関するニュース
- 2025年06月17日
-
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断 - 2025年06月16日
- 【運動の最新情報】ウォーキングは早歩きがお勧め 肥満や不整脈リスクが低下 1日30分の歩行はがんリスクも減少
- 2025年06月02日
- 肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
- 2025年03月26日
-
中小企業のがん対策、経営者の関心が鍵?
「がん対策推進企業アクション」最新調査が示す実態 - 2025年03月10日
- 余暇時間に運動をするとがんリスクは32%減少 活発な運動が寿命を4.5年延ばす 仕事の後は体を動かす習慣を
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年01月23日
- 大腸がんが50歳未満の若い人でも増加 肥満のある人は大腸がんリスクが高い 予防に役立つ3つの食品とは?
- 2025年01月23日
-
1月23日は「一無、二少、三多の日」
2月1日より「全国生活習慣病予防月間2025 」がスタート! - 2025年01月06日
- 肥満のある人はやはりがんリスクが高い 代謝的に健康であってもがんリスクは上昇 日本人5万人超を調査
- 2024年12月19日
- 2024年度版【保健指導アトラス】を公開!保健指導に携わる人が知っておきたい法律・制度