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がん生存率をネットで確認 30万人のがん治療データをもとに作成

 国立がん研究センターは18日、がんの部位や進行度、年齢、性別などを入力すれば、1~5年後の生存率の平均値が分かる検索システムの公開を開始した。約30万人分の症例をもとに、インターネット上で30種類以上のがんの生存率を調べられる。
がん生存率 年率0.7%ずつ治療成績は改善
 生存率とは、診断から一定期間後に生存している確率のことで、がん医療を評価する重要な指標のひとつ。通常は治療後5年経過した時の生存率を治癒の目安としており、部位により10年生存率を用いることもある。

 がんの5年生存率は、全てのがんの合計で1997年の61.7%から徐々に改善し、2005年には68.0%に達し、年率約0.7%ずつ治療成績が改善している。理由としては、化学療法、放射線療法や早期発見技術の進歩が貢献していると考えられる。

 検索システムでは、「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協)に加盟するがん専門病院など29施設で2005年までに治療を受けた約30万人分の症例を集計。

 2012年より公開を行っている全部位の集計値に加え、37種類の部位別のがん種の病期、性別、年齢、初回治療の組み合わせで5年後までの平均生存率を算出した。

 新たに2005年までに新たにがんと診断された6万症例を追加し、2010年までの5年生存率をみることができるように強化を行った。名称は「KapWeb(カップウェブ)」で、全がん協のホームページから利用できる。

 治療開始から一定期間生存した患者の生存率については、長く生存した患者ほどその後の生存率が改善している傾向がみられる。特に早期のがんでは、長期にわたって再発しない傾向もある。

 国立がん研究センターは「日本人の最新のテータをもとにしているが、それでも10年以上前にがんにかかった人のデータなので、現在は医療の進歩により治療成績はさらに向上している可能性がある」と述べている。

 「システムの公開は、がん専門病院の生存率を公表していくための先駆的な取り組みとなる。就労世代でがんになった人でも、すぐに離職する必要はないというメッセージを伝えることにもつながる」としている。

全がん協加盟施設の生存率共同調査 全がん協生存率
全国がん(成人病)センター協議会

[Terahata]
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