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日本医学健康管理評価協議会 健診データの一元管理を目指す共同宣言公表
2016年10月25日
日本医師会や全日本病院協会など、健診や保健指導関連の10団体で構成する「日本医学健康管理評価協議会」は10月12日、『国民のための生涯保健事業の体系化に向けた共同宣言』を公表した。管轄が違うことで連携の取れていない各健診のデータを一元管理できるようにし、生涯にわたって国民の健康をサポートするのが目的。
乳幼児から老年期にいたるまでには、妊婦健診、乳幼児健診、学校児童生徒健診、労働安全衛生法に基づく定期健診等、特定健診、後期高齢者健診、がん検診、人間ドッグ健診などさまざまな健診があり、保健事業が展開されている。しかし、たとえば乳幼児健診は母子保健法に基づいて厚生労働省児童均等・児童家庭局が、学校健診は学校保健安全法に基づいて文部科学省スポーツ・青少年局が、また事業所健診は労働安全衛生法に基づいて厚生労働省労働基準局が、といったように異なる法律に基づき、実施主体や所轄官庁・部局なども分かれているのが現状。そのためデータが一元的に管理されず、国民のための健康寿命の延伸に活用できていないという問題が指摘されてきた。
そこで同協議会では、「健診標準フォーマット」を運用し、医療機関、健診機関、健診関係団体等による、組織横断型の健診データ標準仕様を策定し、組織・団体間の連携が可能なデータ構築を目指している。健診機関で抽出される健診結果のCSVデータは、同協議会が提供する変換ツールを用いれば、健診標準フォーマットで一元管理できるようになるという。
今回、発表された宣言は以下の通り。
【日本医学健康管理評価協議会の共同宣言】(2016年10月12日)
1.国民の生涯を通じた健康情報の一元管理を目指して、健診実施機関等が有する健診データ仕様の標準化を図ること
2.医療機関、健診実施機関、健診関係団体等が取組む国民の生涯を通じた健康増進や健康管理に関わる事業活動に資する、健診のデータベース構築に協力して取り組むこと
3.健診データにおける仕様の標準化のために策定された「健診標準フォーマット」の普及を目的とした、仕様の更新や改善の検討について協力して取り組むこと
共同宣言(日本医師会 2016年10月13日)
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