ニュース

日本医学健康管理評価協議会 健診データの一元管理を目指す共同宣言公表

 日本医師会や全日本病院協会など、健診や保健指導関連の10団体で構成する「日本医学健康管理評価協議会」は10月12日、『国民のための生涯保健事業の体系化に向けた共同宣言』を公表した。管轄が違うことで連携の取れていない各健診のデータを一元管理できるようにし、生涯にわたって国民の健康をサポートするのが目的。

 乳幼児から老年期にいたるまでには、妊婦健診、乳幼児健診、学校児童生徒健診、労働安全衛生法に基づく定期健診等、特定健診、後期高齢者健診、がん検診、人間ドッグ健診などさまざまな健診があり、保健事業が展開されている。しかし、たとえば乳幼児健診は母子保健法に基づいて厚生労働省児童均等・児童家庭局が、学校健診は学校保健安全法に基づいて文部科学省スポーツ・青少年局が、また事業所健診は労働安全衛生法に基づいて厚生労働省労働基準局が、といったように異なる法律に基づき、実施主体や所轄官庁・部局なども分かれているのが現状。そのためデータが一元的に管理されず、国民のための健康寿命の延伸に活用できていないという問題が指摘されてきた。

 そこで同協議会では、「健診標準フォーマット」を運用し、医療機関、健診機関、健診関係団体等による、組織横断型の健診データ標準仕様を策定し、組織・団体間の連携が可能なデータ構築を目指している。健診機関で抽出される健診結果のCSVデータは、同協議会が提供する変換ツールを用いれば、健診標準フォーマットで一元管理できるようになるという。

 今回、発表された宣言は以下の通り。

【日本医学健康管理評価協議会の共同宣言】(2016年10月12日)

1.国民の生涯を通じた健康情報の一元管理を目指して、健診実施機関等が有する健診データ仕様の標準化を図ること

2.医療機関、健診実施機関、健診関係団体等が取組む国民の生涯を通じた健康増進や健康管理に関わる事業活動に資する、健診のデータベース構築に協力して取り組むこと

3.健診データにおける仕様の標準化のために策定された「健診標準フォーマット」の普及を目的とした、仕様の更新や改善の検討について協力して取り組むこと

 同協議会では、健診などのデータを医療従事者がアクセスしやすい場所に格納し、かかりつけ医が患者の診療時に参照できる体制づくりを今後進めていく(データの利用には医師資格証HPKIの電子認証を提示させるようにする)。これらのデータを診断補助や保健指導などに活用することで、国民のための生涯保健事業を体系化させていきたい方針。

国民のための生涯保健事業の体系化に向けた共同宣言(日本医師会 2016年10月13日)
共同宣言(日本医師会 2016年10月13日)
[yoshioka]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2025年08月21日
歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
2025年07月07日
子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
2025年06月27日
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】
2025年06月17日
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断
2025年06月02日
肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
2025年05月20日
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化
2025年05月16日
高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
2025年05月16日
【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
2025年05月12日
メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
2025年05月01日
ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,800名)
登録者の内訳(職種)
  • 医 師 3%
  • 保健師 47%
  • 看護師 11%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 20%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶