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地域保健・健康増進事業報告①~母子保健など「地域保健事業」の概要

 厚生労働省はこのほど、平成29年度「地域保健・健康増進事業報告」をまとめ、公表した。同報告は、地域住民の健康の保持及び増進を目的とした保健施策がどのように展開されているのか、実施主体である保健所や市区町村ごとに把握するもの。報告は「地域保健事業」と「健康増進事業」に分けて実施されている。
 今回は地域保健法や母子保健法などに関連する「地域保健事業」について概要を紹介する。
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3歳児の健康診査受診率は「健やか親子21」の目標値を達成
 母子保健に関する結果では「妊娠届出の状況」や「妊産婦・乳幼児の保健指導・訪問指導の実施状況」などについて調査。

 このうち「乳幼児の健康診査の実施状況」を見ると、乳児の場合、「3~5ヶ月児」が約95万人で最も多く、受診率は95.5%だった。
 「乳幼児健康診査の受診率」は、母子保健に関する国民運動計画「健やか親子21(第2次)」で重点課題として捉えられている。平成29年度「地域保健・健康増進事業報告」における3~5ヶ月児の未受診率は4.5%となるが、「健やか親子21」での目標値は中間評価で3.0%、最終評価で2.0%であることから、今後、更なる受診率アップが求められる。

 また「健やか親子21(第2次)」における1歳6ヶ月児の未受診率は中間評価で4.0%、最終評価で3.0%だが、平成29年度の結果は3.8%。同様に、3歳児の未受診率は中間評価で5.7%、最終評価で5.0%としているのに対し、平成29年度の結果は4.8%だった。

 いずれも中間評価の目標値を達成し、3歳児については最終評価の目標値もクリアしている。
保健所や市区町村の常勤保健師は約26,000人
 保健所や市区町村が実施した健康増進関係事業の指導内容で、平成29年度において最も多く行われたのは「栄養指導」で、指導を受けたのは約487万人。次に多かったのは「運動指導」で約166万人だった。
 一方、保健所や市区町村が実施した衛生教育を内容別にみると、「母子」が最も多く開催回数は約12万回、参加延べ人数は約260万人。次いで「成人・老人」、「栄養・健康増進」と続く。

 また平成29年度末現在の保健所と市区町村の地域保健事業に関わる常勤職員は「保健師」が約26,000人で最も多く、次いで「管理栄養士」約3,400人、「薬剤師」約3,100人などとなっている。

 常勤保健師の配置状況は、人口10万人あたり全国では20.4人。都道府県別で最も多かったのは島根県の42.4人で、高知県(39.3人)、和歌山県(34.3人)が続いている。逆に最も少なかったのは神奈川県の11.4人で、次に東京都の11.8人だった。

[yoshioka]
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