ニュース
日本医師会が市販の「PCR検査キット」に懸念を表明 背景に検査を受けにくい現状が
2020年04月28日
日本医師会は、楽天が法人向けに販売しているPCR検査キットに対し、「リスクが高いと考えざるをえない」と強い懸念を示した。
日本では、PCR検査が十分に受けられないという現状もあり、検査の拡充に向けた動きが活発になっている。
日本では、PCR検査が十分に受けられないという現状もあり、検査の拡充に向けた動きが活発になっている。
検体の採取は専門家が正確に行うことが必要
楽天が4月20日に法人向けに販売を開始した「新型コロナウイルスPCR検査キット」は、楽天が出資するジェネシスヘルスケアが、医療法人社団創世会の協力を受けて開発したもの。
医師が必要と認めた場合にすぐ検査できる体制構築を
ただ、現状では医師が必要だと判断しても、PCR検査の実施につなげるのが困難な実態もある。
日本医師会も、「PCR検査を十分に受けられないという今の検査体制を早く改善する必要がある」と指摘。
楽天は「この検査キットを用いたリスク判定は、診断や医療行為を行うものではありません。新型コロナウイルス感染症について相談・受診すべき目安として挙げている特定の症状は出ていないものの、不安を感じられる方を対象としています」と述べている。
米国でも、米国食品医薬品局(FDA)が4月21日に、初めてコロナウイルスについての家庭用検査キットを緊急に承認した。
ただし、米国の検査キットは、審査当局が医療機器としての承認をしており、事前に医師の許可が課され、購入前にネット上で購入資格があるかどうかが調査される。
日本では、新型コロナウイルス感染症に対するPCR検査の実施数が少ないことが問題になっている。
これを解決しようと、地域の医師会などが運営する「検査センター」の運営が始められている。東京で20ヵ所以上、全国で100ヵ所程度が検査に取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 資料
日本医師会新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2024年04月25日
-
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠 - 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月18日
- 人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月18日
- 健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月09日
- 子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
- 2024年04月08日
- 【新型コロナ】長引く後遺症が社会問題に 他の疾患が隠れている例も 岡山大学が調査
- 2024年03月18日
- メタボリックシンドロームの新しい診断基準を提案 特定健診などの56万⼈のビッグデータを解析 新潟⼤学
- 2024年03月11日
- 肥満は日本人でも脳梗塞や脳出血のリスクを高める 脳出血は肥満とやせでの両方で増加 約9万人を調査
- 2024年03月05日
- 【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
- 2024年02月26日
- 近くの「検体測定室」で糖尿病チェック PHRアプリでデータ連携 保健指導のフォローアップなどへの活用も