ニュース
「子宮頸がん」の意識調査 86%の女性が検診の必要性を感じている 20代女性の7割は受診経験なし
2020年05月26日

ロシュ・ダイアグノスティックスは、4月9日の「子宮の日」に合わせて、子宮頸がんに関する意識調査を実施した。
子宮頸がんの認知度は90%に上り、86%の女性が検診の必要性を感じているが、20代の約7割が未受診という結果になった。
若年層で罹患者が増加しており、同社は「正しい理解促進が必要」としている。
子宮頸がんの認知度は90%に上り、86%の女性が検診の必要性を感じているが、20代の約7割が未受診という結果になった。
若年層で罹患者が増加しており、同社は「正しい理解促進が必要」としている。
子宮頸がん検診の受診率 日本は42%
子宮頸がんの日本の年間の罹患数は約1万1,000例、年間死亡者数は約2,900人とされており、女性特有のがんの中では乳がんに次いで多い。
罹患年齢は20代にも広がるなど若年化が進んでおり、20代から30代の女性では、罹患率はすべてのがんの中で第1位になっている。
定期的に子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の状態で発見することが可能だが、日本の全世代の検診受診率は42%程度と低い。欧米諸国の70%~80%に上り、日本の女性の受診率の低さは際立っている。
そこで、ロシュ・ダイアグノスティックスは日本の女性を対象に、子宮頸がんに関する意識調査を行った。調査は、全国の20~49歳の女性2,000人を対象に、2020年3月に実施したインターネット調査。
86%が検診の必要性を感じている
その結果、子宮頸がん自体への認知度は全体で約90%と結果となった。検診について、「定期的に受診する必要があると思う」が63%、「将来的に受診しないといけないと思うが、今はまだ受ける必要がないと思う」が23%となり、合計86%が検診の必要性を感じていることが判明。
「定期的に受診する必要がある」と答えた人の割合を年代別になると、40代は71%だったが、20代では47%に留まり、「将来的に受診しないといけないと思うが、今はまだ受ける必要がないと思う」が35%と、年齢による認識の違いがみられた。

検診を受けない理由 20~30代では「お金がかかるから」が多い
続いて、子宮頸がん検診を受診したことがある人は、全体で53%(20代の33%、30代の55%、40代の64%)だった。受診率は年代が上がるほど高くなり、20代では約7割が受診したことがない結果となった。
受診しない理由としては、20代、30代は「受診にお金がかかるから」をあげる人がもっとも多く、婚姻状況別でみると、未婚者では「検査が恥ずかしいから」とする人の割合がもっとも多かった。
受診のきっかけについては、「自治体で、無料あるいは安く受診できるから」(39%)がもっとも多く、次いで「健康診断のオプションにあったから」(25%)、「医師に勧められたから」(14%)、「親や家族に勧められたから」(9%)と続く。年代別にみると、20代で受診したことがある人は、「親や家族に受診を勧められたから」「将来、出産をしたいから」という意見が多くみられた。

定期的に検診を受けている人ほど、理解度が高い結果に
子宮頸がんに関する理解度については、全般的に、年代が上がるにつれて理解度が高くなった。また、子宮頸がん検診の受診経験・回数によって理解度に大きな差があることが分かった。
子宮頸がんが「20代~30代の若年層で急激に増加している」ことについて知っている人は全体で51%(定期的に検診を受けている人 63%、受けたことがない人 39%)、「予防できる唯一のがん」と言われていることを知っている人は全体で24%(定期的に検診を受けている人 34%、受けたことがない人 17%)だった。
また、「がんの発生にはヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスが関わっていること」を知っている人は全体で37%(定期的に検診を受けている人 53%、受けたことがない人 23%)、「HPVは一般に性行為を介して感染する」ことを知っている人は32%(定期的に検診を受けている人 43%、受けたことがない人 24%)となり、定期的に受診している人ほど、理解度が高いという結果になった。

掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年01月23日
- 高齢者の要介護化リスクを簡単な3つの体力テストで予測 体力を維持・向上するための保健指導や支援で活用
- 2025年01月14日
- 特定健診を受けた人は高血圧と糖尿病のリスクが低い 健診を受けることは予防対策として重要 29万人超を調査
- 2025年01月06日
-
【申込受付中】保健事業に関わる専門職・関係者必携
保健指導・健康事業用「教材・備品カタログ2025年版」 - 2024年12月24日
-
「2025年版保健指導ノート」刊行
~保健師など保健衛生に関わる方必携の手帳です~ - 2024年12月17日
-
子宮頸がん検診で横浜市が自治体初の「HPV検査」導入
70歳以上の精密検査無料化など、来年1月からがん対策強化へ