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片足で10秒間立てれば死亡リスクは低下 「片足立ち」は日常的で簡易なテストとして有用
2022年06月27日

中年から中高年の人は、片足で10秒間立つことができないと、10年以内に何らかの原因により死亡するリスクがほぼ2倍に上昇するおそれがあることが、英国のブリストル大学などの研究で明らかになった。中年や高齢者の健康診断に「片足立ち」を含めると、効果的である可能性がある。
体のバランス能力は、有酸素運動・筋力・柔軟性と異なり、60歳過ぎくらいまでは、かなり良く維持されているが、60歳を過ぎると急速に衰えはじめる。
「今回の研究で、10秒間の片足立ちが、死亡リスクの高い中高年者を特定するための、日常的に臨床診療で利用できる潜在的で実用的なツールとなることが示されました」と、研究者は述べている。
中年や高齢者の健康診断に「片足立ち」を含めると効果的
中年から中高年の人は、片足で10秒間立つことができないと、10年以内に何らかの原因により死亡するリスクがほぼ2倍に上昇するおそれがあることが、英国のブリストル大学などの研究で明らかになった。中年や高齢者の健康診断に「片足立ち」を含めると、効果的である可能性がある。 研究グループは、ブラジルのクリニメックス運動医学クリニックなどが実施している「クリニメックス運動コホート研究」のデータを利用した。この研究は1994年に開始され、体力のさまざまな測定、運動関連の変数、運動能力と心血管リスクや健康障害、死亡との関連を調査している。 対象となったのは、2009年~2020年に健康診断を受けた51~75歳(平均年齢61歳)の男女1,702人。3分の2(68%)が男性だった。70歳を過ぎると「片足立ち」テストの失敗が11倍以上に増加
検査では、片足で10秒立つテストが実施された。そのときの姿勢として、参加者は両腕を体の横に下ろしたまま前を向き、上げた方の足を反対の足のふくらはぎに付けるよう指示された。どちらかの足で、3回まで試すことが許された。 その結果、5人に1人(20.5%)が、テストに合格できなかった。片足立ちができない人は年齢が上がるとともに増え、51~55歳以降は5年ごとに倍増した。 71~75歳の人の半数以上(54%)は、テストに合格できなかった。つまり、この年齢層の人は、20歳年下の人に比べ、テストに失敗する可能性が11倍以上に高まることが示された。 また、平均して7年間の追跡期間に、7%が死亡した。死因は、心血管疾患が30%、呼吸器疾患が9%、新型コロナの合併症が7%だった。「片足立ち」ができないと死亡リスクは4倍近くに上昇
解析した結果、片足立ちのテストに合格できなかった人は、死亡リスクが大幅に高いことが明らかになった。死亡リスクは、テストに合格できなかった人では17.5%で、合格した人の4.5%に比べ、4倍近く上昇することが示された。 テストに合格できなかった人は、多くは健康状態が不良で、肥満の割合も高く、心臓病・高血圧・糖尿病・脂質異常症なども多かった。とくに2型糖尿病の割合は、合格できなかった人は38%で、合格した人の13%に比べ、3倍に高まった。 年齢・性別・基礎疾患などの影響を考慮し解析した結果、片足で10秒間立つことができないことは、10年以内に何らかの原因により死亡するリスクが84%高くなることが分かった。体のバランス能力を知るためのテストは有用
「片足立ちなどの、体のバランス能力を知るためのテストが、今後10年間に、なんらかの原因で死亡するリスクを知るための信頼できる指標となりえることが示されました」と、同大学医学部でエビデンスにもとづく疫学研究をしているセトル クヌートル氏は言う。 「バランス能力を日常的にはかることは、中高年の男女の健康診断に含まれていません。バランス能力を知るための、標準化された試験方法がなく、転倒以外では臨床的なデータがほとんどなかったからです」。 「ただし、今回の研究は観察研究であるため、片足立ちと死亡リスクの関連についての詳細なメカニズムはよく分かっていません。また、参加者はすべて白人のブラジル人だったので、他の国や民族で広く適用できるかを知るために、さらに研究が必要です」。 「最近の転倒歴・身体活動レベル・食事・喫煙・バランス能力を低下させる可能性のある薬の使用など、潜在的に影響する可能性のある要因についても調査する必要があります」としている。 Inability to stand on one leg in mid to later life linked to higher risk of death (ブリストル大学 2022年6月21日)Successful 10-second one-legged stance performance predicts survival in middle-aged and older individuals (British Journal of Sports Medicine 2022年6月23日)
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