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【新型コロナ】学校での感染の実態を調査 中学生以下はクラス内、高校は部活での感染が多い 文科省

 文部科学省が、学校での新型コロナ感染の実態を調査した。感染経路をみると、年齢が上がるほど、部活動での感染の割合が増えている。とくに高校以上では、部活動での対策の徹底が求められている。

 文部科学省では、オミクロン株の感染が10代以下に急拡大するなか、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を策定し、学校での新型コロナ対策の強化・徹底を求めている。

オミクロン株以降は子供の感染者数は急増

 文部科学省が、学校での新型コロナ感染の実態を調査した。

 オミクロン株の急速な感染拡大により、新型コロナに感染した児童生徒は、2022年1月・2月に急増し、1月には13万人を超え、2月には24万人を超えた。ただし3月には減少に転じている。オミクロン株の感染の特徴として、従来株の場合と比べて、幼稚園児や小学生が占める割合が高くなっている。

 感染経路としては、幼稚園の園児・小学生・中学生は、はじめは家庭内での感染が7~8割と多く、学校内感染は少ない傾向がみられたが、経時的に感染経路不明が増えており、2022年1月~3月には小学校で65%、中学校で60%が感染経路不明だ。

 高校生については、はじめは家庭内感染が3割程度で、学校内感染も3割、経路不明が3割だったが、やはり経時的に感染経路不明が増え、2022年1月~3月には56%になり半数を超えた。

高校では部活での感染が多い

 学校内での感染は、2022年1月~3月には全体の4~19%になり、多くない。感染経路は中学以下では同一クラスが多く、小学校で80%、中学校で46%。一方、高校では部活での感染が多く、46%と半数近くを占め、同一クラスは28%。とくに高校以上では、部活動での対策の徹底が求められている。

 次に、家庭・学校以外の感染での感染経路をより細かくみると、年齢が上がるほど、友人関係での感染の割合が増えていることが明らかになった。友人関係での感染は、中学では30%、高校では53%となっている。

 また、教職員の学校内感染の経路は、同一クラスは38%、同一学年は9%、職員室が17%である一方で、同一部活動が26%と4分の1強を占めた。

 臨時休業をした学校は、「特定の学年・学級の臨時休業を行っている学校」および「学校全体の臨時休業を行っている学校」ともに、3月時点にくらべて減少している。ただし、新潟県・長野県・広島県など、一部の県では「特定の学年・学級の臨時休業」が増加している。

学校での新型コロナ対策マニュアルを策定

 文部科学省では、オミクロン株の感染が10代以下に急拡大するなか、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を策定し、学校での新型コロナ対策の強化・徹底を求めている。

 同マニュアルの今年4月の改訂では、オミクロン株の特徴をふまえた対応として、事務連絡で周知した内容や、地域住民・保護者などへの情報提供について追記した。

 「感染リスクの高い活動に留意しつつ、地域の感染状況に応じた感染症対策を徹底して教育活動を継続し、子供の健やかな学びを保障していくことが必要です」としている。

 「子供たちの健やかな学びの継続を最優先に、地域一斉の臨時休業については慎重な検討を求めます」として、オミクロン株の特性などをふまえ、臨時休業などに関する対応方針を見直しをするよう求めている。

 感染リスクの高い教育活動とは、具体的には以下のとおり。

感染リスクの高い教育活動
  • 各教科など
  • 各教科共通
  • 長時間、近距離で対面形式となるグループワークなど、近距離で一斉に大きな声で話す活動
  • 音楽
  • 室内で近距離で行う合唱、リコーダーや鍵盤ハーモニカなどの管楽器演奏
  • 家庭
  • 近距離で活動する調理実習
  • 体育
  • 密集する運動、近距離で組み合ったり接触したりする運動(運動を行っていない際は可能な限りマスクを着用)
  • 部活動など
  • 密集する活動や近距離で組み合ったり接触したりする運動
  • 大きな発声や激しい呼気を伴う活動
  • 学校が独自に行う他校との練習試合や合宿など
  • 部活動前後の集団飲食や部室などの共有エリアの一斉利用を控えるなど、部活動に付随する場面での対策も徹底

学校における新型コロナウイルス感染症対策について (文部科学省 2022年5月)
学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~ (文部科学省)
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