ニュース

小6の子どもを持つ有職の母が8割を超える−21世紀出生児縦断調査(厚生労働省)

 厚生労働省はこのほど、平成22年に出生した子どもについて継続して実施している「21世紀出生児縦断調査」の第12回(令和4年)の結果を取りまとめ、公表した。

 子どもは小学6年生になっており、母親が有職の割合が81%と同調査の開始以降、初めて8割を超えた。平成13年出生児で実施した同時期の調査より、母親が有職の割合は7.3ポイント高く、働く母親の増加が分かる。
21年度は20年度と比較して3.1ポイント向上 最も高い実施率に

 「21世紀出生児縦断調査」は平成22年に生まれた子どもと家族などについて追跡している縦断調査で、月齢6カ月の第1回調査から毎年実施している。今回は第12回調査で、子どもは12歳(小6)となっている。

 平成13年出生児の調査と比較対照することで、少子化対策の施策立案などに役立てるのが目的。今回の調査では、母の就業状況の変化と子どもの生活の状況について聞いている。

 平成22年出生児の調査では、母親が有職の割合は出産1年前の62.0%から第1回調査(出産半年後)で35.5%に落ち込んで以来、年々上昇を続けている。今回の第12回調査では、母親が有職の割合は81.0%まで上昇し、調査開始以降、初めて8割を超えた。これは平成13年出生児の調査結果73.7%に比べて7.3ポイント高く、働く母親が増加していることが分かる。
厚生労働省「第12回 21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の概況」

 母の就業状況の変化をみると、「勤め(常勤)」の割合は出産1年前に38.3%だったものの、第1回調査で25.5%まで低下。その後、第4回調査(3歳6カ月)の23.8%から徐々に上昇し、第12回調査では30.0%を占めた。「勤め(パート・アルバイト)」の割合は第1回調査の5.7%から年々上昇し、第12回調査では43.9%となった。

 出産1年前に「勤め(常勤)」だった母親のうち、第1回から第12回調査まで継続して「勤め(常勤)」の母親の割合は34.5%で、これは平成13年出生児の24.9%に比べて9.6ポイント高い。

 一方、出産1年前に「勤め(パート・アルバイト)」だった人で、第12回調査時に有職の割合は82.1%。これは平成13年出生児の76.3%に比べて5.8ポイント高い。出産1年前に「勤め(パート・アルバイト)」だった人のうち19.3%が第12回調査時には「勤め(常勤)」と就業状況が変化していた。

 そのほか「子どもの生活の様子」として、学校生活や学校行事以外の体験、子どもの手伝いの状況についても聞き、調査結果をまとめている。子どもの手伝いの状況では、母が「有職」の場合、「洗たく物を干したり、たたむ」「お米をといだり、料理を作るのを手伝う」等の割合が「無職」の場合よりも高い、などの結果が出ている。

第12回「21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)」(厚生労働省)
[yoshioka]
side_メルマガバナー

「産業保健」に関するニュース

2024年04月30日
タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月23日
生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
2024年04月22日
運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
2024年04月22日
職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
2024年04月22日
【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月16日
塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題
2024年04月16日
座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
2024年04月15日
血圧が少し高いだけで脳・心血管疾患のリスクは2倍に上昇 日本の労働者8万人超を調査 早い段階の保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶