オピニオン/保健指導あれこれ
業務効率化で「働くひとと組織の健康を創る」(提供:(株)iCARE)
No. 4-2 実行力ある保健師にこそ読んでほしい、産業医学の新しいスタンダードが学べます提供:(株)iCARE)
産業医・労働衛生コンサルタント・総合内科専門医・心療内科医
2019年12月05日
産業医学の新しいスタンダードを盛り込んだ
Q.はじめての産業医、まずは何から取り組んだらいいですか? 「『産業医 はじめの一歩』の第1章を読んでください、産業医としての考え方を書きました。特にコラムは読むだけでなく考えてみてほしいですね。 産業医が事業者と労働者のどちらの立ち位置で仕事をするのか。産業医ごとに多少の違いはあるんだけど、根本的なところでは同じです。 書籍の中には各論についても触れています。健康診断管理・ストレスチェック管理など法律上規定されている業務や、メンタルヘルス対策や休職復職管理といった産業医の醍醐味が味わえる業務までカバーしています。 繰り返しになりますが、各論に取り組む前のスタンスや考え方をまずは学んでください。 次に健康アプローチのための体制や仕組みづくりを進めて、個別の課題への優先順位を決めていきましょう。」 Q.すでに実務経験のある産業医でも役に立ちますか? 「もちろんおすすめです。資格を取得したばかりの産業医にとっては、具体的な実務・業務イメージを知ることができます。 経験社数が4社以下の産業医にとっては、すでに抱えている具体的な問題を解決する手引に使ってください。どういった考え方で事業者に働きかけたらいいかが分かりますよ。 経験社数が5〜10社未満の産業医は、経験があるのですでに自分なりの解決策やノウハウを持っているでしょう。それらを一貫した考え方で体系化するために役立ててください。」 Q.保健師や健康管理を担当する人事も読めますか? 「ぜひ読んでもらいたいですね。専属産業医がいるような大規模な会社を除くと、産業医が社内にいる時間はとっても短い。そんな時に産業医の役割をカバーするのが産業保健師であり、有資格者だからこそできる価値の高い仕事です。 産業保健師は、産業医と違って法律に仕事内容が明記されていません。だからこそ企業の実態に合わせた柔軟な働き方ができる。人事労務の担当者と協力して、安全衛生計画を立てて実行していくキーパーソンですよね。 もし選任されている産業医がなかなか動いてくれないのであれば、保健師が産業医の代わりに体制づくりを進めても良いでしょう。実際にそうしている企業もありますし、会社にとっても健康アプローチが前進するので嬉しいことです。」マンネリ業務はITを使って自動化する
Q.今後の産業医学はどのように変わっていきますか? 「労働者がライフステージに応じた働き方を望むようになり、国としても多様な働き方を促進する施策を次々と打ち出してきています。 裁量労働制やリモートワークなど働く時間や場所が固定されない働き方が誕生し、今後は副業(兼業)する労働者への健康管理が問題にあがるでしょう。他にも外国人就労や高齢者の再雇用、妊娠・介護による両立支援など、産業医学がカバーするべき課題はどんどん生まれてきます。 これらについては本の中でも一部触れていますが、まさに産業医や保健師といった専門的知見をもった有資格者が頭を使って設計していくべきことです。 一方で、従来からある労務管理(法令遵守のための業務)は再考すべきです。健康診断の就業判定や保健指導、産業医面談の管理や健康情報の取り扱いにあたってはハンザツでアナログ業務が残っていますよね。 紙やメールでの情報管理は手間がかかると同時にセキュリティの安全性も低いことが問題です。だから、有資格者でなくてもできるようなマンネリ業務はITを使った自動化が進むことは間違いありません。 頭を使わなくてもできるパターン化された作業は、積極的に健康管理システムや外部サービスを利用して時間を生み出す。産業医や保健師は、頭を使った高価値業務に集中することで労働者の健康をつくっていけるようになるはずです。 産業医学は今後も社会情勢によってどんどん変わっていきます。それでも変わらない基本的なスタンスをこの本にまとめました。産業医学の新しいスタンダードを身に付けて、プロ産業医・プロ保健師としての道を歩き始めてください。」 株式会社iCARE 健康管理システム Carelyの紹介「業務効率化で「働くひとと組織の健康を創る」(提供:(株)iCARE)」もくじ
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