オピニオン/保健指導あれこれ
乳がん発見から治療・生活・食事・仕事まで

No.1 どんな人が乳がんに罹りやすく、どんな生活をすればかかりにくいのでしょうか?

かまくら乳がんセンター センター長
土井 卓子

乳がんはエストロゲンという女性ホルモンと関連があると考えられています

 初潮が早い、閉経が遅い、初産が遅い、出産しなかった、出産数が少なく授乳をあまりしなかった、閉経後に肥満である、ホルモン補充療法を長期間受けたなどエストロゲンの影響をより多く受けた方に乳がん発生リスクが少し高いことがわかっています。

生活習慣から、乳がんに罹りにくい生活をすることは可能でしょうか?

 まず、お酒を飲みすぎないようにしましょう。疫学調査からアルコールをたくさん飲む方は乳がんの発生が多いことがわかりました。

 1日にビールならジョッキ2杯くらい、日本酒2合くらい、ワイングラス2杯くらいまでは悪影響はありませんが、それ以上ではアルコール量が多くなるのに比例して乳がん発生率も増加します。お酒がお好きな方も少し抑えて、上手に楽しむようにしましょう。

 次に、積極的に運動しましょう、週に2~3回以上運動する方は乳がん発生率が2割程度少ないことがわかっています。運動の種類は関連しないようですから、自分の趣味や体調にあった運動で良いでしょう。

 また、昼夜逆転したような不規則な生活を長期間続けないようにしましょう。深夜勤務を何十年も繰り返す医療関係者や国際線のキャビンアテンダントの方に乳がん発生率が高いことがわかっています。

 ただ、時々夜更かしする程度なら問題ありませんので神経質になりすぎる必要はありません。食生活では、イソフラボンを多めに摂取する方は乳がん発生が少ないという報告があり、大豆製品を積極的に摂ることは有効かもしれません。

 乳製品がいけない、甘いものがいけないなどの情報があふれていますが疫学的には特定の食品が悪影響するというデータはありません。あまり気にしなくて良いでしょう。

 しかし、閉経したら太りすぎないように気をつけましょう。閉経するとエストロゲンは減少しますが、肥満ではエストロゲンが高いままで、乳がんに罹りやすくなる可能性があります。

最後にホルモン補充療法のことを考えます

 更年期症状の改善にはホルモン補充療法が有用です。エストロゲン単独法とエストロゲンと黄体ホルモン併用法がありますが、併用法が乳がんのリスクになるのではないかと考えられています。

 担当の先生と更年期症状改善のメリットと乳がんリスクの上昇のデメリットの両方をよく相談して決めてください。

 当院での検診例でも補充療法を受けている方は乳がんが見つかる頻度がやや多かったのですが、定期的に検診を受けているためか小さながんばかりでした。マンモグラフィ単独ではなく超音波も併用した検診が良いでしょう。

 次回は有効な乳がん検診の受け方について説明いたします。

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