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くるみが食生活改善に役立つ ひとつかみのくるみで生活習慣病を予防

くるみには健康増進に必要な栄養成分が含まれている
くるみ
 くるみは、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質をバランス良く含む健康的な食品だ。それに加えて、健康に良いと注目を浴びている「オメガ3脂肪酸」も豊富に含まれている。くるみにはナッツ類でもっとも多くオメガ3脂肪酸が含まれている。

 くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は植物由来のαリノレン酸(ALA)で、青魚の脂肪分に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)と同じ仲間の多価不飽和脂肪酸だ。

 オメガ3脂肪酸を豊富に含む食品を推奨するのは世界的な流れだ。米国の食事ガイドラインでは、1日に摂取する脂肪由来のエネルギーの大部分を、オメガ3脂肪酸など不飽和脂肪から摂取するようアドバイスしている。オメガ3脂肪酸の代表的な供給源として、くるみの認知度は上昇している。※1

 「日本人の食事摂取基準」(2010年)でも、健康的な脂肪を食事に取り入れることが推奨され、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)の摂取基準量が設定されている。1日に50歳男性では2.4g以上、女性では2.1g以上を摂取することを目標としている。※2

 くるみ1オンス(約28g)には、13gの多価不飽和脂肪酸が含まれ、うち2.5gはオメガ3脂肪酸のαリノレン酸だ。くるみをひとつかみ食べるだけで、1日に必要な量のオメガ3脂肪酸をとることができる。

ひとつかみのくるみで生活習慣病を予防
 オメガ3脂肪酸は動脈硬化を防ぎ、コレステロール値、中性脂肪値を下げ、心臓病、がん、脳卒中、糖尿病、高血圧、肥満など、生活習慣病の予防に効果があるかもしれないことが、さまざまな研究で確かめられている。

・くるみで2型糖尿病を予防
 ハーバード大学公衆衛生学部の研究で、くるみを食べる習慣のある女性では、2型糖尿病の発症が減ることが確かめられた。この研究は米国栄養学会が発行する学術誌「ジャーナル オブ ニュートリション」に発表された。※3

 約13万8,000の女性を対象とした研究で、毎週56g以上のくるみを食べた女性では、2型糖尿病の発症率が21%減少したことが分かった。体格指数(BMI)の影響を考慮して調整した後でも、くるみを食べた女性では発症率は15%低下していた。

 くるみはそのまま食べてもおいしいが、朝食のヨーグルトやシリアルに加える、魚料理の衣にする、野菜炒めのトッピングにするなどアレンジして食べると、週に28gを簡単に摂取できる。

・くるみで心臓病を予防
 米エール グリフィン予防研究所で行われた研究で、過体重で心臓病や2型糖尿病を発症するリスクの高い成人が、1日56gのくるみを8週間食べると、血管の機能(血管内皮機能)が改善されることが明らかになった。この研究は、米国栄養学会が発行する学術誌「ジャーナル オブ ジ アメリカン カレッジ オブ ニュートリション」に発表された。※4

 くるみを食べた被験者では、体重の増加も抑えられていた。くるみの摂取量を増やすと満腹感が持続しやすいので、高カロリーの間食を摂取する頻度が減り、結果として肥満になりにくくなるのではないかと、研究者は推測している。

・くるみで認知機能低下を予防
 くるみ抽出物に、アルツハイマー病患者の脳内アミロイド沈着物の主成分アミロイドベータタンパク質(Aβ)が引き起こす酸化ストレスや細胞死から細胞を保護する作用があるという新たな発見が、医学誌「ニューロケミカル リサーチ」に発表された。※5

 くるみには抗酸化物質に加えて、植物性オメガ3脂肪酸であるαリノレン酸が豊富に含まれている。これらの成分には抗炎症作用があり、脳細胞を酸化ダメージから守ると考えられている。

・くるみで体重管理・メタボリックシンドロームを予防
 米ロマリンダ大学の研究によると、コレステロール値の高い男性がくるみを食べると、コレステロール値が下がり、体重の増加も抑えられるという。※6

 肉などから摂取する不飽和脂肪酸の摂取を抑えて、脂肪からとるカロリーの35%をくるみから摂取するように食事を変えると、6週間後に対照群に比べて、総コレステロール値が4.2%、LDL(悪玉)コレステロール値が6.0%低下していた。くるみを食べた男性では体重の増加も抑えられていた。

カリフォルニアくるみ協会

[保健指導リソースガイド編集部]
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