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楽しく継続できる運動プログラムが必要 慶應大学SMRCニューズレター
2014年05月09日
慶應義塾大学スポーツ医学研究センターは「ニューズレター No.16」の公開を開始しました。スポーツ・運動の医学的研究や教育に関する最新の成果を紹介しています。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター ニューズレター |
No.16【2014年3月発行】 主な内容
トピックス「大相撲幕内力士体脂肪率測定」 スポーツ医学研究センターでは、日本相撲協会診療所から委託され、大相撲力士の体脂肪率測定を行っています。1999年より体脂肪測定装置BOD POD を日本相撲協会診療所(両国国技館内)に常設し、現在までにのべ2,300名の力士の体脂肪率を測定しました。
体重160kg以上の番付上位力士の測定を行い、筋肉量による徐脂肪体重が多いほうが力士として望ましいことが確認され、やみくもに体重を増加させることのリスクを、データをもとに解明しました。その結果、体脂肪率測定は新弟子入門検査のひとつとして実施され、力士としての健康的な身体づくりのスタートをサポートしています。
昨年12月に、あらためて現在の上位力士の体組成がどれくらいであるかを評価しようと、協力を得られた幕内力士25名にBOD PODによる測定を行いました。 詳細は下記ページをご覧ください。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター ニューズレター No.16
研究紹介「健康運動継続のための枠組み」
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授 勝川史憲 特定の疾患の予防や治療を目的とする健康運動では、「運動処方」という考え方が一般的です。すなわち、運動の頻度、強度、運動時間、運動の種類といった運動の条件を細かく規定します。 例えばメタボリックシンドロームでは、運動はエネルギー消費量がまず重要で、十分なエネルギー消費が確保されていれば運動の頻度はあまり重要ではなく、一方、高血圧の場合は、運動強度、運動時間はそれほど重要でなく、運動の頻度が重要というように、個々の健康上の目標にたいして最適な条件があります。
こうした健康運動を普及するあたり、現状で以下の3つの問題があります。
(1)患者やその予備群に健康運動を推奨する施設(医療機関、特定保健指導であれば企業の健保組合、そのほか人間ドック等の健診機関等)に十分な運動処方の知識をもつ者が必ずしもいないこと。
(2)運動の条件を細かく規定すると、面白味のない、継続する上で難がある運動プログラムになる可能性があります。例えばウォーキングが一般的に推奨されるのは、医療機関などが多彩な運動プログラムを指導できないことと、ウォーキングがエネルギー消費量(=強度×時間)等の運動の条件を設定しやすいことによります。しかし、ウォーキングは単調で長続きが難しいことが多いのです。
(3)「No pain、 no gain」、つまり健康上の運動はある種の苦痛を必ず伴うものだという認識は、運動の継続を妨げる要因になる可能性があります。楽しくない運動やおいしくない食事を推奨しても、なかなか継続しません。運動を「やらせる」アプローチや環境アプローチとは別に、本人が健康運動を主体的に選択する枠組みを作る第3のアプローチも考える価値があります。それにはまず、楽しくて継続できる運動プログラムがあることが第一の条件となります。 詳細は下記ページをご覧ください。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター ニューズレター No.16
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター
トピックス「大相撲幕内力士体脂肪率測定」 スポーツ医学研究センターでは、日本相撲協会診療所から委託され、大相撲力士の体脂肪率測定を行っています。1999年より体脂肪測定装置BOD POD を日本相撲協会診療所(両国国技館内)に常設し、現在までにのべ2,300名の力士の体脂肪率を測定しました。
体重160kg以上の番付上位力士の測定を行い、筋肉量による徐脂肪体重が多いほうが力士として望ましいことが確認され、やみくもに体重を増加させることのリスクを、データをもとに解明しました。その結果、体脂肪率測定は新弟子入門検査のひとつとして実施され、力士としての健康的な身体づくりのスタートをサポートしています。
昨年12月に、あらためて現在の上位力士の体組成がどれくらいであるかを評価しようと、協力を得られた幕内力士25名にBOD PODによる測定を行いました。 詳細は下記ページをご覧ください。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター ニューズレター No.16
研究紹介「健康運動継続のための枠組み」
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授 勝川史憲 特定の疾患の予防や治療を目的とする健康運動では、「運動処方」という考え方が一般的です。すなわち、運動の頻度、強度、運動時間、運動の種類といった運動の条件を細かく規定します。 例えばメタボリックシンドロームでは、運動はエネルギー消費量がまず重要で、十分なエネルギー消費が確保されていれば運動の頻度はあまり重要ではなく、一方、高血圧の場合は、運動強度、運動時間はそれほど重要でなく、運動の頻度が重要というように、個々の健康上の目標にたいして最適な条件があります。
こうした健康運動を普及するあたり、現状で以下の3つの問題があります。
(1)患者やその予備群に健康運動を推奨する施設(医療機関、特定保健指導であれば企業の健保組合、そのほか人間ドック等の健診機関等)に十分な運動処方の知識をもつ者が必ずしもいないこと。
(2)運動の条件を細かく規定すると、面白味のない、継続する上で難がある運動プログラムになる可能性があります。例えばウォーキングが一般的に推奨されるのは、医療機関などが多彩な運動プログラムを指導できないことと、ウォーキングがエネルギー消費量(=強度×時間)等の運動の条件を設定しやすいことによります。しかし、ウォーキングは単調で長続きが難しいことが多いのです。
(3)「No pain、 no gain」、つまり健康上の運動はある種の苦痛を必ず伴うものだという認識は、運動の継続を妨げる要因になる可能性があります。楽しくない運動やおいしくない食事を推奨しても、なかなか継続しません。運動を「やらせる」アプローチや環境アプローチとは別に、本人が健康運動を主体的に選択する枠組みを作る第3のアプローチも考える価値があります。それにはまず、楽しくて継続できる運動プログラムがあることが第一の条件となります。 詳細は下記ページをご覧ください。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター ニューズレター No.16
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