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デング熱について知っておきたい基礎知識 専用相談電話も設置
2014年09月04日

東京の代々木公園周辺を訪れた人の間で感染が広がっているデング熱に、9月3日現在で新たに北海道や愛媛県などの合わせて14人が感染したことが確認された。
厚生労働省などによると、感染が確認された人は11の都道府県で、合計48人になった。厚生労働省によると、感染が確認された人は全員が、代々木公園やその周辺を訪れていて、最近1ヵ月以内の海外への渡航歴はないという。
感染を媒介するヒトスジシマカの活動時期は10月下旬頃まで
デング熱は、主にネッタイシマカによって媒介されるデングウイルスの感染症で、ヒト(患者)-蚊-ヒトという経路で感染し、ヒトからヒトには直接は感染しない。日本にはネッタイシマカが常在していないため、日本ではヒトスジシマカを介して感染する可能性がある。
ヒトスジシマカは、日中・屋外で活動し、活動範囲は50~100メートル程度で、国内の活動時期は概ね5月中旬~10月下旬頃までだという。
感染してから2~15日(多くは3~7日)症状のない期間があった後、突然の高熱で発症し、筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感といった症状がみられる。発症後3~4日後、胸部、体幹から始まる発疹が出現し、四肢、顔面に広がる。これらの症状は1週間程度で消失する。
一方、一部の患者において、発熱が終わり平熱に戻りかけた時、血漿漏出に伴うショックと出血傾向を主な症状とするデング出血熱が出現することがある。初発症状が出現してから2~7日後に起こり、消化管出血・呼吸困難などを呈しショック状態に陥ることがある。適切な治療を受けない場合は死亡する可能性もある。
デング熱には特異的な治療法はなく、現在のところ、有効なワクチンもない。唯一の予防策は蚊に刺されないことだ。日中にヤブや木陰といった蚊が多い場所に行く場合は長袖・長ズボンを着用したり、虫刺され防止薬を使用するするとよいだろう。
デング熱は4類感染症に指定されており、医師が患者を診断した場合は、保健所に直ちに届出が必要となる。診断のための検査は、血液からの病原体の検出、PCR法による病原体遺伝子の検出、ELISA法による病原体タンパクNS1の検出、IgM抗体の検出、中和試験等による抗体の検出などで行う。
デング熱の専用相談電話を都庁内に設置
デング熱は、ウイルスに感染した蚊に血を吸われることによってヒトへの感染が広がっていくことから、東京都福祉保健局は「今後、都内で感染が拡大する可能性は低い」との見解を示している。
それでも、国内での患者が増えていることに伴い、同局はデング熱に関する専用相談電話も都庁内に設置。同局によると、専用ダイヤル(03-5320-4179)には8月28日から9月1日までの期間中に283件、9月2日に183件の相談が寄せられたという。専用相談電話は午前9時から午後7時まで電話を受け付けており、9月5日まで対応を予定している。
また、デング熱などに関する相談先をホームページ内で紹介しており、デング熱や蚊の駆除などに関しては「平日は、最寄りの保健所でもご相談いただけます」としている。
デング熱専用相談電話の対応強化について(東京都感染症情報センター)デング熱について(厚生労働省)
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