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2型糖尿病とうつ病は認知症の発症リスクを高める 発症が2倍に増加
2015年04月30日
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2型糖尿病とうつ病は認知症の発症リスクを高め、2型糖尿病とうつ病の両方を発症していると、認知症の発症リスクは2倍に上昇することが、240万人を対象とした調査で明らかになった。この研究は、米国医学会が発行する医学誌「JAMA Psychiatry」に発表された。
糖尿病患者はうつ病を合併しやすい
2型糖尿病とうつ病はともに、高齢化に伴い発症が増える疾患だ。また、2型糖尿病患者の20%がうつ病を併発しているという調査結果もある。
「糖尿病やうつ病と診断されたら、すぐに適切な治療を開始することが大切です。どちらの疾患も認知症の重要な危険因子となります」と、ワシントン大学医学部のディミトリ ダビィドゥ氏は言う。
ダビィドゥ氏ら研究チームは、調査開始時に認知症と診断されていなかった240万人のデンマーク市民を対象に、2007年から2013年にかけて調査した。うつ病、2型糖尿病、あるいはその両方を有する人の認知症リスクをいずれの疾患もない人と比較した。
その結果、9.1%(22万3,174人)が2型糖尿病、19.4%(47万7,133人)がうつ病と診断された。さらに、3.9%(9万5,691人)が糖尿病とうつ病を併発していた。診断時の平均年齢は、2型糖尿病では63.1歳、うつ病では58.5歳だった。
研究期間中に、2.4%(5万9,663人)の患者が認知症を発症し、発症時の平均年齢が81歳であることが分かった。認知症を発症した患者の、26.4%(15,729人)がうつ病を単独で発症しており、10.8%(6,466人)が2型糖尿病を単独で発症していた。さらに6.7%(4,022人)が両方の疾患を発症していた。
認知症のリスクは、2型糖尿病のみを発症した患者では20%高く、うつ病のみを発症た患者では83%高く、両方を発症した患者では117%高いことが判明した。認知症のリスクは65歳以下の患者でより上昇することが示された。
認知症を予防するために良好な血糖コントロールが必要
「糖尿病とうつ病の両方を発症した人では、認知症の発症リスクが2倍以上に上昇することが分かりました。認知症を予防するために、両疾患の治療を早期からはじめる必要性が示されました」と、ダビィドゥ氏は言う。
高血糖によって引き起こされる酸化ストレスやインスリン抵抗性は、動脈硬化の原因になり、脳の血管にも影響があらわれる。高血糖は脳の血管の炎症を引き起こし、認知症の原因になる可能性がある。
「血糖コントロールを良好に維持する大切さを裏付ける調査結果になりました。認知症の患者数は増えており、より若い年齢で発症する人も増えています。2型糖尿病の治療である、健康的な食事と、運動の習慣化は、認知症予防の観点でも重要です」と、ダビィドゥ氏は指摘している。
この研究は、米国立衛生研究所(NIH)、デンマークのルンドベック財団から資金提供されて行われた。
Depression, Diabetes Associated with Increased Dementia Risk(米国医学会 2015年4月15日)Effect of Depression and Diabetes Mellitus on the Risk for Dementia(JAMA Psychiatry 2015年4月15日)
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