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高齢者が安全に入浴できる目安 最低血圧100以上だと事故が14倍に

 入浴事故が起こる危険性は、入浴前に最低血圧が100mmHg以上だと14倍以上、最高血圧が160mmHg以上だと3倍以上に高まる――東京都市大学などの研究グループによる調査で、安全な入浴の目安となる血圧値などが示された。
入浴の危険性を知るための血圧や体温の値を調査
 研究チームは、訪問入浴事業所として登録されている全2,330ヵ所の事業所に対して、訪問入浴に関連する事故・体調不良(入浴事故)の発生状況を調査。入浴事故を起こした平均82.3歳の高齢者596例から、危険性を知る参考になる血圧や体温の値を割り出した。

 その結果、血圧については、▽入浴前の収縮期(最高)血圧が160mmHg以上であると、正常血圧に比べ、入浴事故の発生は3.63倍に上昇、▽入浴前の拡張期(最低)血圧が100mmHg以上であると、入浴事故の発生は14.71倍に上昇することが分かった。

 また、体温については、▽入浴前に体温37.5度以上であると、入浴事故の発生は16.47倍に上昇した。
 入浴事故として報告された主な症状は、発熱16.8%、呼吸困難・喀痰喀出困難15.6%、意識障害10.7%、嘔吐・吐き気10.6%、外傷10.6%、血圧上昇7.7%、血圧低下7.7%、チアノーゼ・顔色不良6.0%だった(重複あり)。

 これまで訪問入浴など、介護保険が適用される入浴サービスでは、血圧値や体温値などの科学的根拠に基づく入浴の可否判断基準はなく、介護者の経験によって入浴しても良いかが判断されてきた。

 「今回の調査により、安全性を判断するための参考値が分かった。これにより科学的根拠にもとづいて高齢者の安全な入浴が実施されることが期待できる。訪問入浴だけでなく、高齢者入所施設や通所介護、通所リハビリ、家庭での入浴にも活用できる」と研究者は述べている。

 研究は、日本健康開発財団の温泉医科学研究所の早坂信哉氏(東京都市大学人間科学部教授、公衆衛生学)らによるもので、「日本温泉気候物理医学会雑誌」に発表された。

日本健康開発財団
[Terahata]

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