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【連載更新】高齢者の看取りのあり方
2016年08月09日
連載「地域での看取り」(神山 欣子:看護師、社会福祉士、介護支援専門員、MBA(経営学修士)/栗岡 住子:保健師、産業カウンセラー、MBA、博士(医学))の第7回を公開しました。
No.7 高齢者の看取りのあり方
特別養護老人ホームひらかた聖徳園では、亡くなられた入所者の家族に、エンド・オブ・ライフケアについて考えてもらうために集まってもらう機会を設けています。亡くなる方の平均年齢が87.9歳であるため、家族の年齢も90歳代から、子供世代でも60歳代がほとんどで「次は私の番・・・」との思いがありました。看取られる人、看取る人の双方の気持ちに焦点を当てて「エンド・オブ・ライフ」について考えていきたいと思います。

1.自然な看取り
89歳のTさんは、2008年に入所した脳出血による後遺症のある介護度4の入所者です。施設生活も6年目に入り、徐々に機能低下が進み、食べ物や飲み物を飲み込む力が弱くなったことから終末期であるという共通認識を家族と共に行いました。ときおり、発熱などがあり誤嚥性肺炎(食べものや、だ液が気管に入ることが原因でおこる肺炎)の可能性が高くなりました。
飲み込む力が弱り誤嚥をしている限り、治療してもまた、肺炎を繰り返すことが予測されます。また、Tさんは6年にわたり寝たきりに近い状態であったことや、コミュニケーションがとれず、認知症による不穏症状もあったことから、胃ろうなどの延命治療は望まないと決断され、看取り介護をおこなうことになりました。
肺炎の治療は内服薬を使用することと、とろみをつけた水分や栄養補助食品を可能な範囲で食べていただくことにしました。居室内での生活が多くなりましたが、最期までストレッチャー(特殊機械浴)で気持ちよく入浴し、枯れるように自然に亡くなることができました。息子さん夫婦をはじめ親族は頻回に面会にこられていましたが、たまたま家に帰られたあとにTさんは安らかに旅立たれました。
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