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HIV陽性者への理解をうながす『職場とHIV/エイズハンドブック』 東京都
2017年04月19日
HIV感染症は服薬でエイズの発症を抑えることで、今までとほぼ同じように生活が送れるようになってきている。そのためHIV陽性者の多くが通院しながら働いているが、根強い偏見や誤解によって働きにくさを感じる状況が多く、中には離職せざるを得ないケースもある。HIV/エイズの現状を知ってHIV陽性者への理解を進め、誰もが働きやすい職場を作るのに有効なのが、東京都福祉保健局が発行している『職場とHIV/エイズハンドブック』だ。
HIV感染者とエイズ患者は増加を続けており、日本では平成28年11月16日現在の累計患者・感染者数は26,981人(厚生労働省エイズ動向委員会発表)。東京都では平成28年11月18日現在の累計患者・感染者数は9,080人(東京都福祉保健局発表)となっており、全国のおよそ3割を占めている。
そこで東京都福祉保健局では、平成25年に人事・労務・障害者雇用担当向けに『職場とHIV/エイズハンドブック』を作成。HIVが日常生活では感染しないことや、身体障害者として認定を受けられることなどについて説明し、情報開示や通院・治療への配慮など、人事・労務が押さえておきたい対応のポイントを記している。またHIV陽性者の就労経験談や、雇用経験のある企業担当者のインタビューも掲載し、身近な課題としてとらえられるよう工夫もされている。
一方、平成26年には同ハンドブックの第2弾として「HIV陽性者とともに働くみなさまへ」を作成。一緒に働いても感染しないことを明記したうえで、HIV陽性者は定期的な通院と服薬で健康状態をコントロールしているため、本人から申し出がない限り、特別扱いは不要である、など同僚として知っておいてほしいことを説明している。またHIV陽性者の職場での経験談や、同僚の声なども分かりやすく紹介している。
東京都福祉保健局健康安全部エイズ・新興感染症担当課長の堅多敦子さんは「HIV陽性者を取り巻く環境は発行時から大きく変わっていません。職場におけるHIV陽性者への対応をどのようにすれば良いのかをコンパクトにまとめていますので、人事や労務の担当者、また健康部門に携わる方たちに活用してもらいたいです」と話している。
『職場とHIV/エイズ ハンドブック』人事・労務・障害者雇用担当者向けハンドブック 配布依頼申込書 『職場とHIV/エイズ ハンドブック』HIV陽性者とともに働くみなさまへ
ハンドブック 配布依頼申込書
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