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「8020」を2人に1人以上が達成し過去最高に~平成28年歯科疾患実態調査
2017年06月06日
厚生労働省はこのほど、「平成28年歯科疾患実態調査」の結果(概要)を取りまとめ、公表した。今回の結果では、80歳になっても自分の歯が20本以上ある「8020(はちまるにいまる)」を達成した人の割合が51.2%と、前回調査時より11%増加。2人に1人以上が達成したことになり、過去最高を記録した。6月4日から10日までは「歯と口の健康週間」が実施されており、厚労省では今後さらに「8020運動」を含む歯科口腔保健施策を今後も推進していく方針。
この調査は、歯科保健の状況を把握し、今後の歯科保健医療対策を推進するための基礎資料を得るのを目的に行われているもので、昭和32年から6年ごとに実施されてきた。平成24年に策定した「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」の中間評価にあわせ、今回から調査周期は5年に変更されている。今回の被調査者数は6,278人。
調査結果によると、永久歯における処置歯または未処置のう歯を持つ人の割合は、25歳以上85歳未満で80%以上と高く、特に35歳以上55歳未満では100%に近かった。処置歯の状況を見ると、39歳までは充填歯の割合が8割を超えているものの、35歳以上からはクラウンの割合が増え始める。さらに50歳以上になると、ブリッジの支台となるクラウンも増えていた。
欠損した歯についてはブリッジの装着が最も多く、65歳以上70歳未満では約半数に見られた。85歳以上では部分床義歯装着者と全部床義歯装着者も同様に多い。一方でインプラントはどの年齢階級においても5%未満であった。
歯肉の状況については、4?以上の歯周ポケットを持つ人の割合が高齢になるにつれて増加していることが分かった。
普段の清掃状況についての結果を見ると、1歳以上で毎日歯を磨く人の割合は95.3%。毎日2回以上歯を磨く人の割合は77%。1歳から14歳まででフッ化物塗布経験がある人の割合は62.5%だった。デンタルフロスや歯間ブラシなどで、歯間部の清掃を行っている人の割合は30.6%だったが、40から70代の女性に関しては5割以上だった。
報道発表:「平成28年歯科疾患実態調査」の結果(概要)を公表します(厚生労働省)
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