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8割を超える事業場でストレスチェック制度を実施~厚労省調査
2017年08月10日
厚生労働省はこのほど、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の実施状況について初めて取りまとめた。この結果、平成29年6月末時点では8割を超える事業場がストレスチェック制度を実施済みであることが分かった。
ストレスチェック制度とは、職場でのメンタルヘルス不調を未然に防止するのを目的に、常時50人以上の労働者がいる事業場に対し、年1回のストレスチェックと、結果に基づく面接指導などの実施を義務付けているもの。
ストレスチェック制度を実施した事業場の割合は事業規模が大きくなるにしたがって高くなり、労働者1,0000人以上の事業場では99.5%で実施されていた。業種別では「金融・広告業」が93.2%、通信業が92.0%で実施と高い割合を示した。
ストレスチェック実施者は医師、保健師、一定の研修を受けた看護師・精神保健福祉士から選任する必要があるが、約6割の事業場で事業場内の産業医などが選任されていた。残りの4割は外部委託先の医師などだった。
ストレスチェックの結果、高ストレス者として選定され、医師による面接指導を受ける必要があると認められた者のうち、労働者から申し出があった場合は医師による面接指導を実施する必要がある。今回の調査では、ストレスチェックを受けた労働者のうち、医師による面接指導を受けた労働者は0.6%だった。
一方、ストレスチェックの結果を職場や部署単位で集計・分析し、職場ごとのストレスの状況を把握する「集団分析」は、約8割の事業場で実施されていた。
厚労省は小規模事業場を含めたメンタルヘルス対策を推進するため、ポータルサイト「こころの耳」を通じた情報提供、産業保健総合支援センターによる教育や研修の実施、企業の取り組みに対する助成金交付など、さまざまな支援事業充実も図っていく方針。

出典:参考1 ストレスチェック制度の概要より
<各種支援情報>
○働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」https://kokoro.mhlw.go.jp/
職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者支援などの情報を総合的に掲載 〇労働者健康安全機構「産業保健総合支援センター」について
https://www.johas.go.jp/shisetsu/tabid/578/Default.aspx
全国47の都道府県に設置されている産業保健総合支援センターが行う窓口相談や研修、情報提供などについてと、各センターの連絡先を掲載 〇労働者健康安全機構「産業保健関係助成金」について
https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1151/Default.aspx
労働者健康安全機構が実施する「ストレスチェック助成金」などについての情報を掲載 〇「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」ダウンロードサイト
https://stresscheck.mhlw.go.jp/
ストレスチェック制度が事業場に円滑に導入できるようストレスチェックの受検、結果出力、集団分析などができるプログラムを無料配布 報道発表「ストレスチェック制度の実施状況を施行後はじめて公表します」(厚生労働省)
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