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くるみを食べると腸内フローラが改善 くるみが善玉菌を増やす
2018年04月16日
毎日ひとつかみのくるみを食べることで、「腸内エコシステム」が改善し、善玉菌を増やし、悪玉菌を減らせることが明らかになった。
くるみを毎日ひとつかみ食べると「腸内フローラ」が改善

くるみを食べると善玉菌は増え、悪玉菌は減る
研究チームは、194人の健常者(女性が134人、平均年齢63歳、平均BMIは25.1)を対象に、前向きのランダム化比較試験を実施した。被験者は、ナッツ類をまったく食べない期間を経て、くるみを食べる群と食べない群に分けられた。8週間の期間を経て両群は交換されて、さらに8週間観察された。 被験者はくるみを食べる期間は、1日43gのくるみを毎日食べた。研究チームは、被験者の糞便を検体として収集し、DNAシークエンシングによってマイクロバイオーム分析を行い、RNA遺伝子配列データを解析した。 腸内細菌を多次元スケーリングで測定したところ、くるみを食べた場合は、くるみを食べない場合に比べ、8週間で腸内細菌に約5%の相違が生じることが明らかになった。 くるみを食べることで、善玉の腸内細菌であるRuminococcaceaeやBifidobacteriaが有意に増加した一方で、大腸炎などの原因となるClostridium目の細菌は有意に減少した。悪玉コレステロールを低下させる効果も
ヒトの腸内には、さまざまな菌がお互いにバランスを保ちながら存在しており、複雑な微生物生態系がつくられている。この生態系がどれだけ多様であるかを知るために、「α多様性」と「β多様性」が用いられている。 α多様性はある1つの環境での多様性で、β多様性とは異なる環境間の多様性を示す。今回の研究では、くるみを食べることで、β多様性に約5%の系統学的な相違が生じることが判明した。くるみは料理の素材としても理想的
くるみには、健康に良いと注目されているオメガ3脂肪酸がナッツ類でもっとも多く含まれる。くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は「α-リノレン酸」(ALA)で、青魚の脂肪に含まれるDHA、EPAと同じ仲間の脂肪酸だ。 「α-リノレン酸」は、動脈硬化を防ぎ、コレステロール値・中性脂肪値を下げ、心臓病、がん、脳卒中、2型糖尿病、高血圧、肥満などの予防に効果を発揮することが、さまざまな研究で報告されている。 コレステロールゼロ、低糖質でグルテンフリーのくるみは、栄養素をバランス良く補給するのに適した食材として注目されている。 くるみは、そのままつまんだり、サラダやヨーグルトのトッピングとして簡単に食べることができる。砕いたくるみを挽肉の代わりに料理に加えたり、パン粉の代わりにクラストとしても使える。腸の健康におすすめ くるみの食べ合わせ
腸の健康を考えると、納豆やヨーグルトなどとくるみを合わせたレシピがおすすめです。 【くるみ×納豆メニュー】

・ A walnut-enriched diet reduces lipids in healthy Caucasian subjects, independent of recommended macronutrient replacement and time point of consumption: A prospective, randomized, controlled trial. Nutrients. 2017, 9(10): 1097; 10.3390/nu9101097
・ カリフォルニアくるみ協会
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