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風疹のワクチン接種と妊婦への予防を呼びかけ―先天性風疹症候群の報告を受け

 国立感染症研究所はこのほど、2019年第4週に先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれたとの報告があったことを発表した。
 2018年7月以降、続いている風疹の流行では初めての報告になる。2019年に入ってからも風疹の患者数は増えており、改めて妊婦への感染防止を強化するとともに、風疹の抗体を持たない人への予防接種が呼びかけられている。
GUM05_PH02074.jpg  国立感染症研究所によると、2014年の報告以降、先天性風疹症候群の報告はなかった。しかし2019年第4週になって、埼玉県で先天性風疹症候群の男児が生まれたとの報告が医療機関より寄せられたという。母親のワクチン接種歴はあるが、回数や接種年などは不明で、妊娠中に風疹に罹患(りかん)したかどうかも不明という。

 この報告を受け、2月1日、日本産婦人科医会と"風疹ゼロ"プロジェクト作業部会は連名で、妊娠している人へ向けて緊急の通知を発表した。

 通知では「当事者となられた、お子さま、またお母さまのおかれた状況、ご両親の心中を察するにたいへん心が痛みます。

 すこしでも風疹をなくして、妊娠中に赤ちゃんが風疹にかかり先天性風疹症候群にならないことを切に願っておりましたが、現在もまだまだ赤ちゃんがおなかの中で風疹にかかるリスクは厳然と存在しております」として、引き続き社会全体へ予防接種の推進を呼びかけていくと共に、妊婦自身が自己防衛に努める大切さについても訴えている。

妊娠が判明したら直ちに妊婦風疹抗体検査を
 日本産婦人科医会と"風疹ゼロ"プロジェクト作業部会は昨年10月、「妊婦さんへ風疹からの緊急避難行動のお願い」を出しており、その中で妊娠が判明したら直ちに妊婦風疹抗体検査を受け、感染のリスクが高いことが分かった場合は、罹患(りかん)予防に徹するよう求めてきた。

 国は「早期に先天性風疹症候群の発生をなくすとともに、平成32年度までに風疹の排除を達成すること」を目標としている。

しかし以前、感染者が増加していることから、厚生労働省は2019年から2021年度末のおよそ3年間で、過去に風疹の定期接種を受ける機会がなかった昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性を対象に、風疹の抗体検査を行い、必要に応じて原則無料で定期接種を行うと発表している。

 また妊娠中はワクチンの接種を受けられず、受けた後は2カ月間、妊娠を避ける必要がある。そのため、先天性風疹症候群のリスクについて啓発を行い、抗体が十分でない場合は妊娠前の早い段階で2回のワクチンを受けておくことも呼びかけられている。

[yoshioka]
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