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「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」を公表 厚労省
2019年10月15日

受動喫煙による健康への影響を受けやすい人には特別な配慮が必要
改正法では多数の人が利用する施設などの管理者に、従業員の受動喫煙を防止する措置を義務として設定。一方、労働安全衛生法では、屋内における労働者の受動喫煙防止について努力義務を事業者に課している。
そのためガイドラインは、改正後の健康増進法で義務付けられる事項と、労働安全衛生法の努力義務として事業者が実施すべき事項を一体的に示したものとなる。ガイドラインではまず「組織的対策」として、推進計画の策定や担当部署の指定、労働者の健康管理などがあることを紹介。
特に妊娠している労働者や呼吸器・循環器等に疾患を持つ労働者、がんなど疾病を治療しながら就業する労働者、化学物質に過敏な労働者など、受動喫煙による健康への影響を一層受けやすい懸念がある人には特別な配慮が必要であるとしている。
20歳未満の従業員は、喫煙可能部分への立入禁止
「喫煙可能な場所における作業に関する措置」では、喫煙専用室など喫煙可能部分へ20歳未満の従業員を立ち入らせることは禁止される、と説明。

各種施設における受動喫煙防止対策
最後に「各種施設における受動喫煙防止対策」としては以下の3つがあり、ほかにも「喫煙目的施設」や「既存特定飲食提供施設」などの対応について説明しているほか、「受動喫煙防止対策に対する支援」についても紹介。
(1) 第一種施設
「第一種施設」とは多数の人が利用する学校や病院、児童福祉施設、そのほか受動喫煙で健康を損なうおそれの高い人たちが主に使う施設のこと。第一種施設は健康増進法で「原則敷地内禁煙」となる。そのため、技術的基準を満たす屋外の喫煙場所を除き「労働者に敷地内で喫煙をさせないこと」としている。
(2)第二種施設
「第二種施設」は多数の人が利用する施設のうち、第一種施設や喫煙目的以外の施設のことで一般の事務所や工場、飲食店なども含まれる。第二種施設も健康増進法で同様に「原則屋内禁煙」となることから、たばこの煙の流出を防止するための技術的基準に適合した部屋を除き、労働者の屋内での喫煙が禁じられる。
(3)既存特定飲食提供施設
「既存特定飲食提供施設」は個人または資本金5,000万円以下の会社が経営している、客席面積が100平方メートル以下、などの条件を満たした飲食店を指す。事業者には喫煙可能室(喫煙も、飲食物の提供も可能な部屋)を設置していても、受動喫煙を望まない者への配慮は必要だとしている。
別紙では、喫煙専用室やたばこ専用喫煙室などを設置する際の技術的基準の概要を説明するとともに、効果的な設置方法についても詳しく解説している。
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