ニュース
緑豊かな地域に住めば、更年期障害を遅らせられる ストレスが減り女性ホルモンが長く分泌
2020年02月26日
緑豊かな地域に住むことで、女性が更年期障害を発症する年齢を遅らせられる可能性があるという研究が発表された。
自然の多い環境で暮らすことで、ストレスが減り、その影響で女性ホルモンが長く分泌されるようになるという。
自然の多い環境で暮らすことで、ストレスが減り、その影響で女性ホルモンが長く分泌されるようになるという。
自然の豊かな地域に住むメリットは?
緑豊かな地域に住む女性は、更年期障害を発症する年齢が遅いという研究が発表された。自然の多い環境で暮らすことで、ストレスホルモンの分泌が減ることが影響している可能性がある。
緑豊かな地域に住むと、肥満のリスクの低下、子供の注意力の向上、高齢者の身体能力の低下の抑制など、さまざまなメリットを得られるという研究がこれまでに報告されている。
今回の研究は、ノルウェーのベルゲン大学とスペインのバルセロナ国際健康研究所(ISGLOBAL)の共同研究チームによるもの。詳細は国際科学誌「Environment International」に掲載された。
研究チームは、「欧州共同体呼吸器健康調査(ECRHS)」に参加した9ヵ国(スペイン、フランス、ドイツ、ベルギー、イギリス、スウェーデン、エストニア、アイスランド、ノルウェー)の1,955人の女性のデータを分析した。
関連情報
緑豊かな地域に住む女性は閉経期が始まるのが遅い
参加者を20年追跡し、健康と生活スタイルについてのアンケートに回答してもらい、血液検査を行った。住居の近くに緑地があるかや、どれくらい広いかなども尋ねた。
その結果、もっとも緑豊かな地域に住む女性は、緑地の少ない地域に住む女性に比べ、閉経期が始まるのが1.4年遅いことが明らかになった。
閉経年齢の平均は、もっとも緑豊かな地域に住む女性では51.7歳なのに対し、緑地がほとんどない地域に住む女性では50.3歳だった。
女性ホルモンの分泌を長く維持できる
閉経年齢は、遺伝的要因に加えて、喫煙、肥満、身体活動、経口避妊薬の使用などの生活スタイルの要因の影響を受ける。
研究者は、閉経期が始まる年齢と緑地などの環境因子の関連は、多くの生物的プロセスによって説明できると指摘している。
卵巣で産生される女性ホルモンであるエストロゲンの一種である「エストラジオール」は、更年期障害に大きく影響している。
「緑地の近くに住んでいる女性は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が少なく、その結果、女性ホルモンであるエストラジオールの分泌を長く維持できている可能性があります。コルチゾールの低下は、エストラジオールの上昇と関連しているのです」と、ISGlobalの客員研究員であるカイ トリプナー氏は述べている。
Living in Greener Neighbourhoods May Postpone the Natural Onset of Menopause(バルセロナ国際健康研究所 2020年2月13日)Residential surrounding greenspace and age at menopause: A 20-year European study (ECRHS)(Environment International 2019年11月)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2023年08月09日
-
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より - 2023年08月08日
- 若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
- 2023年07月28日
- 2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
- 2023年07月24日
- 標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
- 2023年07月11日
- 自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
- 2023年06月20日
- 肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
- 2023年06月12日
- 自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
- 2023年06月05日
- 要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
- 2023年05月19日
- 令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
- 2023年05月18日
-
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-