ニュース
食育推進基本計画の目標は多くが未達成―「令和元年度食育白書」を公表
2020年06月25日
農林水産省はこのほど「令和元年度食育推進施策(令和元年度食育白書)」を公表した。
今回は「若い世代を中心とした食育の推進」を特集し、食料の生産から消費に至る「食の循環」に若い世代が取り組んでいる事例を紹介している。
一方、「第3次食育推進基本計画」は2020年度が最終年度にあたるものの目標未達成の項目が多く、課題が残る。
若い世代の朝食欠食割合は25.8%、目標に達せず
食育基本法に基づく「第3次食育推進基本計画」は2016年から2020年までの5年間を対象として定められた。5つの重点課題があり、このうち「若い世代を中心とした食育の推進」について今回の白書では特集が組まれている。
第3次食育推進基本計画では若い世代に関連して、①朝食を欠食する割合、②主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている割合、③地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法等を継承している割合、④食品の安全性について基礎的な知識を持ち、自ら判断する割合―の4つについて数値目標を設定。白書によると、このうち③と④については数値目標を達成できていた。
一方、朝食を欠食する(「週に2~3日食べる」と「ほとんど食べない」)若い世代の割合は、2020年度中までに15%以下にすることが目標。しかし、2019年度は25.8%で、特に男性は31.5%が朝食を欠食していた。
企業の食育推進事例もコラムで紹介
白書ではほかにも、子どもの頃の食生活や今後の食生活に対する調査結果、若い世代が中心となって取り組む食育の事例紹介などを掲載。食品ロス削減や災害時の食などについて、大学生が立案し、取り組みを進めている事例などを取り上げている。
第2部では第3次食育推進基本計画に掲げた事項の取り組み状況について、全国の事例を具体的に紹介。従業員等の健康に配慮した企業の食育推進事例や食品ロスなど、話題性の高いテーマについてもコラムとして言及している。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2024年04月25日
-
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠 - 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月18日
- 人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月18日
- 健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月09日
- 子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
- 2024年04月08日
- 【新型コロナ】長引く後遺症が社会問題に 他の疾患が隠れている例も 岡山大学が調査
- 2024年03月18日
- メタボリックシンドロームの新しい診断基準を提案 特定健診などの56万⼈のビッグデータを解析 新潟⼤学
- 2024年03月11日
- 肥満は日本人でも脳梗塞や脳出血のリスクを高める 脳出血は肥満とやせでの両方で増加 約9万人を調査
- 2024年03月05日
- 【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
- 2024年02月26日
- 近くの「検体測定室」で糖尿病チェック PHRアプリでデータ連携 保健指導のフォローアップなどへの活用も