ニュース
【新型コロナ】クラスターが発生した典型的な事例を公表 病院や職場などに対策を呼びかけ 国立感染症研究所
2020年08月18日

国立感染症研究所 感染症疫学センターは、院内感染クラスターや昼カラオケクラスター、職場会議クラスターなど、新型コロナウイルスの集団感染が発生した典型的なケースを分析した事例集を公表した。
新型コロナのクラスターを解析
国立感染症研究所 感染症疫学センターの専門チームは、7月までの半年間に各地で確認されたクラスター約100例を分析し、典型的なケースを事例集にまとめた。
いわゆる「3密(密閉・密集・密接)」の環境にいたり、マスクを着用していなかったり、従来から指摘されていた共通点が明らかになった。
例として挙げているのは、▼医療機関での院内感染、▼カラオケを伴う飲食店、▼職場での会議、▼スポーツジム、▼接待を伴う飲食店、▼バスツアーの6つ。
クラスターの発生しやすい場所、環境、行動を避けることが重要
院内感染クラスターの事例では、以下の点が指摘されている。
・ 処置やリハビリ時の感染対策の不徹底による職員の感染・ 休憩室など換気が悪く、密な場所での感染から別病棟への広がり
・ 感染に気付かないまま、施設へ退院、退院先で感染波及 対策としては以下が挙げられる。 ・ 標準予防策、経路別感染、予防策の徹底
・ 有症状者の早期探知
・ 院内の3密を減らす工夫
・ 転院、退院時の情報共有

出典:国立感染症研究所、2020年
職場会議クラスターの事例では、以下の点が指摘されている。
・ 職場の会議は、締め切った空間で一同に会してプレゼンや議論をし、3密(密閉、密集、密接)となることが多い。
対策としては以下が挙げられる。
Web会議等が勧められるが、対面の会議を開催する場合は、・ 換気の徹底
・ 十分に間隔をとる
・ マスクを着用
に十分留意する。

出典:国立感染症研究所、2020年
日本では、COVID-19対策の重要な柱の1つとしてクラスター対策が行われてきた。
「クラスター対策は、全国の保健所、衛生研究所、医療機関などの支援により実施できる。クラスターの発生しやすい場所、環境、行動を避けるよう啓発することで、クラスターの形成を防止できる」と、同センターでは述べている。
正しい手洗いの方法
正しいマスクのつけ方
NHKスペシャル"パンデミック"との闘い~感染拡大は封じ込められるか~」から
クラスター事例集(国立感染症研究所 感染症疫学センター)正しいマスクのつけ方
NHKスペシャル"パンデミック"との闘い~感染拡大は封じ込められるか~」から

新型コロナウイルス(2019-nCoV)(国立感染症研究所)
新型コロナウイルス感染予防のために(厚生労働省)
関連情報
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年08月21日
- 歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
- 2025年07月07日
- 子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
- 2025年06月27日
-
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】 - 2025年06月17日
-
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断 - 2025年06月02日
- 肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
- 2025年05月20日
-
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化 - 2025年05月16日
- 高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
- 2025年05月16日
- 【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
- 2025年05月12日
- メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
- 2025年05月01日
- ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】