ニュース

コンニャク粉が食後の血糖値とインスリン値の上昇を抑制 予備群から糖尿病への移行を予防

 群馬大学の研究グループが、健常者や糖尿病予備群を対象とした研究で、コンニャク粉入り粥が、食後の血糖値とインスリン値の上昇を緩やかにすることを確かめた。
 炭水化物の多い主食にコンニャク粉を混ぜると、食物の胃内の通過時間を延長させ、腸管粘膜での糖質吸収を抑制するという。
独自技術でコンニャク粉を開発
 研究は、群馬大学大学院医学系研究科・食健康科学教育研究センターの葭田明弘助教、木村孝穂准教授、村上正巳教授らによるもの。研究グループは、群馬県利根郡昭和村のグリンリーフが独自の技術により開発したコンニャク粉入り粥を対象に実験を行った。研究成果は、「Annals of Nutrition and Metabolism」に掲載された。

 健常者や糖尿病予備群を対象とした今回の研究で、粥に独自技術によってコンニャク粉を添加したことで、血糖値とインスリンの両方の上昇を抑えられる効果が確認された。

 コンニャク粉入り粥が血糖上昇を抑える理由としては、粥に含まれたコンニャク粉が胃内容物の粘りけを高め、食物の胃内の通過時間を延長させ、腸管粘膜での糖質吸収を抑制したことが考えられるという。

 コンニャクは、サトイモ科の植物やその球茎から製造される食品。精粉コンニャクは100gあたり5kcalと低カロリーで、炭水化物は2.3g、不溶性食物繊維は2.1g含まれる。

 コンニャク芋の生産量は全国の80%を群馬県が担い、その約6割が利根郡昭和村周辺で生産されている。グリンリーフは1990年からコンニャク芋の有機栽培を行っている。

 同社は、板コンニャク、シラタキ、結びシラタキなどに加えて、シラタキをパスタに加工したり、コンニャクサラダ、コンニャクそうめんなどの新しい食べ方を提案している。
糖尿病予備群を対象に試験を実施
 糖尿病患者が血糖コントロールが良くないと、動脈硬化が進行し、心血管疾患を引き起こしやすくなる。糖尿病予備群の段階でも、軽度の血糖上昇により、心筋梗塞や脳卒中といった大血管障害のリスクは、糖尿病でない人に比べて大きくなる。

 糖尿病を良好に治療するのに加えて、糖尿病予備群から糖尿病への移行を予防することも、重要な課題となっている。

 これまでソイプロテイン、グアーガム、燕麦、小麦デンプン、セイタカカナビキソウ、5-アミノレブリン酸、食物繊維などで血糖上昇の抑制効果が報告されているが、主に2型糖尿病患者を対象とした検討だった。

 そこで研究グループは、健常者や糖尿病予備群を対象に研究を行った。参加したのは37~60歳の健常男性25人で、糖尿病の診断に用いられる75g経口糖負荷試験行った結果、8人が健常者、17人が糖尿病予備群であることが分かった。

 参加者に3種類の粥(五分粥、0.4%コンニャク粉入り粥、0.8%コンニャク粉入り粥、いずれも約80kcal)を食べてもらい、摂食前と摂食後30分、60分、120分の時点で血糖値とインスリン値を測定した。
コンニャク粉が食後30分の血糖値とインスリン値の上昇を抑制
 その結果、五分粥にコンニャク粉0.8%を加えたことで、食後30分にピークとなる血糖値とインスリンの上昇が抑制されたことが分かった。一方、その他の時間(食前、食後60分、120分)では、両群の間に血糖値とインスリンの差は認められなかった。

 これにより、コンニャク粉入り粥は五分粥に比べ、食後30分で有意に血糖値とインスリン値の上昇を抑制することが分かった。また、血糖値の上昇抑制効果は、糖尿病予備群でより強く、またコンニャク粉の濃度が高いとより強くあらわれた。

 「今回の研究は、糖尿病予備群などを対象としており、コンニャク粉入り粥が血糖とインスリン、両方の上昇を抑制することを示したはじめての報告です。コンニャク粉の食後血糖上昇の抑制作用は、主食と混合することにより強く発揮される可能性があります。糖尿病予備群から糖尿病へ移行するのを抑制して人々の健康増進に貢献することが期待されます」と、研究者は述べている。

主食にコンニャク粉を加えると食後30分にピークになる血糖値とインスリンの上昇が抑制される
出典:群馬大学、2020年

群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学
群馬大学食健康科学教育研究センター
グリンリーフ
Glucomannan Inhibits Rice Gruel-Induced Increases in Plasma Glucose and Insulin Levels(Annals of Nutrition and Metabolism 2020年7月13日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2022年07月26日
2021年度版「健診・検診/保健指導実施機関」状況報告 10年間の推移についてまとめ
2022年07月11日
動脈硬化学会が「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を発表 特定健診・保健指導にも影響
2022年06月10日
【レポート】日本保健師活動研究会「20周年記念シンポジウム」
保健師の実践活動から、強みと意義を考える
2022年05月23日
【新型コロナ】保健師がコロナ禍の拡大を食い止めている 保健師の活動が活発な地域では罹患率は減少
2022年05月23日
【子宮頸がん】HPVワクチンの予防効果は優れている 接種9年後の感染率は0% ワクチンの有効率は100%
2022年04月19日
「サルコペニア肥満」は軽度認知機能障害と認知症のリスクを高める BMIと握力の簡便な検査でリスク予測
2022年04月04日
【新型コロナ】医療従事者・自治体・ニュースからの情報提供は、予防行動を高めるのに貢献している?
2022年02月15日
【特定健診】尿潜血検査を必須にすると、病気の早期発見と医療費削減につながる 費用対効果も優れる
2022年01月13日
大人の風しん抗体検査とワクチン接種を呼びかけ 東京都福祉保健局
2021年12月21日
特定健診・保健指導の効果を10年間のNDBで検証 体重や血糖値が減少し一定の効果 ただし体重減少は5年後には減弱
DASHプログラム
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日・約11,000通)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶