ニュース

【子宮頸がんを予防する日】予防ワクチンの接種を受ければ9割の感染を防げる 定期的な検診で女性の未来を守れる

 4月9日は、「子宮頸がんを予防する日、子宮の日」だった。
 毎日8人もの女性が子宮頸がんによって命を落としている。
 しかし、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受ければ、予防できることは十分に知られていない。
 また、子宮頸がんは検査で早期発見・治療をすれば、90%以上を治癒できる。検査を定期的に受けることも大切だ。
毎日8人もの女性が子宮頸がんによって命を落としている
 4月9日は、"子宮頸がんを考える市民の会"が定めた「子宮頸がんを予防する日、子宮の日」だった。

 子宮頸がんは、日本では毎年約1万1,000人が新たに診断され、患者の9割近くで子宮の摘出など侵襲の大きい治療が必要になり、さらに年間に約2,900人が亡くなっている、女性にとってきわめて深刻ながんだ。

 子宮頸がんと診断される女性は、20歳代後半から増加して、40歳代でピークを迎える。

 子宮頸がんは、全体の95%以上がHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって発症することが分かっている。

 主な原因がウイルス感染であるため、HPVに対するワクチン(HPVワクチン)の接種で防ぐことができ、予防できるがんと考えられている。HPVが主に性交渉で感染することから、初回性交渉前に子宮頸がん予防のためにHPVワクチンを接種することが推奨されている。

 2価ワクチン・4価ワクチンで6~7割、9価ワクチンで9割のHPV感染を予防できるとみられている。

 世界の80ヵ国以上で、HPVワクチンの接種を広く提供するめたに、国の公費助成が実施されている。そして、世界の多くの国で60%以上の高い接種率が実現されており、80~90%の接種率の国も少なくない。

 2006年の接種開始以来、世界では約8億回にわたり接種されており、WHO(世界保健機構)も安全性が高いと認めている。

 日本でも、HPVワクチン接種は2013年4月から、予防接種法にもとづく定期予防接種となり、小学校6年生から高校1年生までの期間は、女子が無料で接種を受けられるようになった。

 しかし、日本では公費助成がされているにもかかわらず、2018年時点で接種率はわずか0.6%にとどまっている。

 その背景として、ワクチンとの因果関係を否定できない副反応(持続的な疼痛)が同ワクチンの接種後に特異的にみられたことから、国の方針で、個別通知が行われなくなったことがある。

 しかし自治体などでは、「対象者や保護者がワクチンの有効性や副反応などを理解し、ワクチン接種の有無を判断できるよう」、情報提供が行われている。
子宮頸がん検診で早期発見を 日本の検診受診率は最低レベル
 また、子宮頸がんは検診で容易に発見できる。子宮頸がんを予防するために、20歳になったら定期的な検診を受け、がんになる前の状態で発見することが大切だ。子宮頸がんは検査で早期発見・治療をすれば、90%以上を治癒できる。

 しかし、欧米諸国の子宮頸がん検診受診率は70〜80%なのに対し、日本の検診受診率は42%程度にとどまり(2019年「国民生活基礎調査」)、先進国でも最低レベルだ。

 そこで、「子宮頸がんを考える市民の会」などは、子宮頸がん検診の受診を呼びかけるリーフレットとLINEスタンプを配信している。リーフレットなどは全国の看護学校を中心に、大学・短大・専門学校や行政機関に5万枚を配布する。

 ロシュ・ダイアグノスティックスなどは、子宮頸がん検診の受診率向上を目指す「Blue Star Project(ブルースタープロジェクト)」を展開。Instagramで、子宮頸がん検診などについての投稿キャンペーンを4月23日まで実施している。

 京都府は京都精華大学と協働して、受診率が2019年調査で38.9%と全国でも低い子宮頸がん検診について、女子大生などを対象とした若年層向けに、マンガで啓発するリーフレットを作成した。

 リーフレットでは、「20歳以上の女性は、2年に1回の頻度で子宮頸がんの検査を受けることが推奨されています」「検査では一般的に、子宮頸部の細胞を採取して、細胞に異常がないかを検査する子宮頸部細胞診が行われます。痛みはほとんどなく、検査時間も3~5分程度です」などと解説している。
子宮頸がんは予防できる 自分で判断し行動することが大切
 さらに、「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」(運営:一般社団法人HPVについての情報を広く発信する会)は、「子宮頸がんは、予防できる。」をテーマに、公式YouTubeチャンネルでライブ配信などを展開。

 トークライブには、感染症専門医の忽那賢志氏、産婦人科医の宋美玄氏などが参加し、日本での子宮頸がんをはじめとしたHPV感染症を取り巻く現状や、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)が果たすことのできる役割について解説している。

 さらに、自身が「境界悪性卵巣腫瘍」のため両卵巣・子宮を全摘出した経験をもつ、タレントの麻美ゆまさん参加。HPVについて正しく知ったうえで、自らの意思で判断し行動を決めることの大切さについて語っている。

 さらに、HPV感染症は男女問わず感染し、男性にとっては、のどや肛門のがんに影響することから、海外では男性でもHPVワクチンの接種が進んでいることも紹介。男性にとっても、HPV感染症は他人事ではない。

 「みんパピ!」の公式YouTubeチャンネルでは、パートナーを子宮頸がんで失ってしまった男性が、HPVとの向き合い方について語るドキュメンタリー動画も公開されている。

NPO法人 子宮頸がんを考える市民の会
 子宮頸がん検診受診率の向上、検診の効率化・適正化、女性の立場に立った子宮頸がん対策の社会への働きかけを目的に活動している。「子宮頸がんは検診とワクチンによって予防できる唯一のがんという現実を知って、自分のこととして行動してもらいたい」と呼びかけている。

みんパピ!(一般社団法人 HPVについての情報を広く発信する会)
 「すべての日本国民にHPV感染症に関する正確な知識を伝えること」「科学的な根拠にもとづきHPVワクチンの有効性と安全性について啓発することで、日本国民の健康増進に寄与すること」を目的に活動している。代表理事の稲葉可奈子氏は産婦人科専門医。

20歳からの子宮頸がん検診~定期的な検診であなたの未来が守れます~(京都府)

「Blue Star Project」特設サイト
 ロシュ・ダイアグノスティックスとDeNAヘルスケアのコラボレーションより運営されているプロジェクト。子宮頸がん検診への理解を促進することを目的としたコンテンツを配信するほか、横浜市の子宮頸がん検診が受診できる施設なども公開。

公益社団法人 日本産科婦人科学会
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2022年07月26日
2021年度版「健診・検診/保健指導実施機関」状況報告 10年間の推移についてまとめ
2022年07月11日
動脈硬化学会が「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を発表 特定健診・保健指導にも影響
2022年06月10日
【レポート】日本保健師活動研究会「20周年記念シンポジウム」
保健師の実践活動から、強みと意義を考える
2022年05月23日
【新型コロナ】保健師がコロナ禍の拡大を食い止めている 保健師の活動が活発な地域では罹患率は減少
2022年05月23日
【子宮頸がん】HPVワクチンの予防効果は優れている 接種9年後の感染率は0% ワクチンの有効率は100%
2022年04月19日
「サルコペニア肥満」は軽度認知機能障害と認知症のリスクを高める BMIと握力の簡便な検査でリスク予測
2022年04月04日
【新型コロナ】医療従事者・自治体・ニュースからの情報提供は、予防行動を高めるのに貢献している?
2022年02月15日
【特定健診】尿潜血検査を必須にすると、病気の早期発見と医療費削減につながる 費用対効果も優れる
2022年01月13日
大人の風しん抗体検査とワクチン接種を呼びかけ 東京都福祉保健局
2021年12月21日
特定健診・保健指導の効果を10年間のNDBで検証 体重や血糖値が減少し一定の効果 ただし体重減少は5年後には減弱
DASHプログラム
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日・約11,000通)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶