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「乳がん」は早期発見すれば治る病気 10月は「ピンクリボン月間」 コロナ禍でがん検診の受診者が減少
2021年10月20日
日本人女性の9人に1人が発症する乳がん。10月の「ピンクリボン月間」には、乳がんの早期発見を啓発するイベントが各方面で実施されている。
乳がんは、早期の段階で適切な治療をすれば、約9割が治る病気とされている。しかし、コロナ禍の影響でがん検診の受診者は減少している。
ピンク色のライトアップ、イベントの配信、SNSへの参加の呼びかけなどで、乳がん検診の受診の必要性を呼びかけている。
乳がんは、早期の段階で適切な治療をすれば、約9割が治る病気とされている。しかし、コロナ禍の影響でがん検診の受診者は減少している。
ピンク色のライトアップ、イベントの配信、SNSへの参加の呼びかけなどで、乳がん検診の受診の必要性を呼びかけている。
乳がんは早期発見で"治る病気"に
乳がんは、女性がかかるがんのなかでもっとも多く、患者数は年々増加している。2018年に全国で乳がんと診断されたのは9万4,519人に上る。
その一方で、乳がんの治療や手術は進歩しており、また乳がんのタイプ分けの研究が進み、タイプごとに効果的な治療を行えるようになってきた。そのため乳がんは、早期の段階で適切な治療をすれば、約9割が治る病気とされている。
しかし、日本では乳がんの検診率はもともと低く、さらに今年は新型コロナウィルスの影響で検診率が減っている。早期発見が遅れると死亡率も上がってしまうおそれがある。
40歳以上の女性は2年に1回、乳がん検診を受けることが推奨されている。ほとんどの市町村で、検診費用の多くを公費で負担している。
コロナ禍でがん検診の受診者は3割減少
コロナ禍の影響でがん検診の受診者が減少していることが、日本対がん協会の調査で明らかになった。全国の32ヵ所の同協会グループ支部によると、2020年に実施された5つのがん検診(胃、肺、大腸、乳、子宮頸)の受診者は、対前年比30.5%の大幅減少となった。
がん検診の受診者は、2019年はのべ567万796人だったのに対し、2020年は394万1,491人となり、172万9,305人減少した。
同協会によると、コロナ流行下でも、がんは変わらず発生していると考えられる。減少した受診者数に2018年度の各がん発見率を掛けて推計すると、計約2,100件のがんが未発見となっている可能性がある。
同協会グループ以外のがん検診や、別の病気の治療中に偶然発見されるがんなども合わせると、2020年の日本では少なく見積もっても1万人以上のがんが未発見となっていることが懸念される。がん検診の受診を見送っているうちに未発見のがんが進行がんとなり、治療の選択肢を狭めてしまいかねない。
「各検診(健診)機関は国のガイドラインにのっとった感染防止対策を徹底しています。ぜひ、定期的ながん検診の受診をお願いします」と注意を呼びかけている。
10月はピンクリボン月間 各地で乳がん検診の受診を呼びかけ
「ピンクリボン音頭」を制作 乳がんのセルフチェックを学べる
乳がんの検診率が低迷しているのを受け、ピンクリボンアートプロジェクトなどは「ピンクリボン音頭」を制作した。
レトロポップでかわいい音頭だが、実は乳がんのセルフチェックが学べる振付と歌詞になっている。体を活発に動かし踊ることで、代謝や免疫力を向上させる狙いもある。
ピンクリボン音頭
振付を担当したのは、さまざまなCMで振り付け指導を行っている香瑠鼓さん。腕を上下に振るなど、両腕のダイエットにもなるとして、30~40代の女性にもぜひ試してもらいたいとしている。
ピンクリボン音頭PV(ピンクリボンアートプロジェクト)
日本対がん協会も、乳がんセルフチェック推奨キャンペーンを実施し、ピンクリボン音頭とコラボレーションしている。毎月ピンクの日(19日)にはSNSでも配信している。
Twitter、Instagramで「#MYPINKACTION」のハッシュタグを付けて配信。これは企業や有名人、一般の人々が、それぞれ自分と乳がんのことについて考え理解し、自分ならではのピンクアクションを実践し、自身のSNSアカウントで投稿してもらうための取り組みだ。
ピンクリボン音頭~ピンクの日~
(ピンクリボンフェスティバル×ピンクリボンアートプロジェクト)
公益財団法人日本対がん協会
ピンクリボンフェスティバル
乳がん(国立がん研究センター がん情報サービス)
(ピンクリボンフェスティバル×ピンクリボンアートプロジェクト)
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