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働く女性の健康意識調査 PMS(月経前症候群)や更年期の症状はキャリアにも影響 女性が活躍できる社会を実現

 日本政府は、2030年までの可能な限り早期に、指導的地位に占める女性の割合を30%にする目標を掲げている。女性の活躍が期待されている一方、その活躍を妨げている一因として、女性ホルモンの変化によっておこるPMS(月経前症候群)や、更年期の諸症状など、女性特有の健康課題がある。

 働く女性の半数はPMS・更年期症状を自覚しているものの、多くは自身で対処すべきと考えていることが、調査で明らかになった。

 それぞれの症状は仕事のパフォーマンスに影響し、昇進辞退や退職に至るケースもある。昇進での影響については、PMSで55%、更年期症状で40%の女性が職場での昇進を辞退したり、悩んでいることも示された。

 一方、女性が活躍できる社会の実現に向け、その対策を企業としても取り組むべき課題ととらえてほしいと考えている女性も多い。

働く女性の半数はPMS・更年期症状を自覚

 PMSは、月経前の3~10日の間に生じるさまざまな心身の不調で、月経発来とともに減弱・消失するもの。更年期の諸症状は、女性ホルモンの急激な減少に伴って生じる心身のさまざまな不調のことを指す。更年期には、女性ホルモンの急激な減少にともない、心身のさまざまな不調が生じることが多い。

 PMSと更年期症状に、女性ホルモン(エストロゲン)が深く関わっている。これらの諸症状とうまく付きあっていくには、正しい知識の習得や一般的なセルフケアに加えて、医療機関を利用し、自身の健康状態を把握して対処することも大切だ。大塚製薬は、これらを合わせた対処を「新・セルフケア」として提案し、「女性の健康推進プロジェクト」を展開している。

 同社は、全国の20歳~59歳の女性を対象に「働く女性の健康意識調査」を実施し、3月8日の「国際女性デー」にその結果を発表した。同調査は2021年9月に実施したもので、2万人を対象としたスクリーニング調査と、年代・雇用状態・自覚症状などに応じたグループごとに実施した。

 その結果、PMS・更年期症状ともに、働く女性の半数は症状を自覚しているものの、多くの女性は症状への対処に1人で悩んでいる実態が浮き彫りになった。

PMS・更年期症状があっても「誰にも相談できない」

 PMS症状の自覚について、20~44歳の正規雇用の会社員・公務員である4,438人の女性では、49%が「自覚あり」と回答し、うち21%が「重い」(日常生活に支障をきたす)と回答した。

 PMS症状を自覚しており、日常生活に支障をきたすと回答した女性400人(ウェイトバック後429人)を対象に、「PMSは自分で対処することが重要だと思いますか?」を尋ねたところ、59%が「そう思う」と回答した。

出典:大塚製薬、2022年

 また、更年期症状について、45~59歳の正規雇用の会社員・公務員である7,868人の女性では、50%が「自覚あり」と回答し、うち11%が「重い」と回答した。

 更年期症状を自覚しており、日常生活に支障をきたすと回答した女性200人(ウェイトバック後238人)を対象に、「更年期症状は自分で対処することが重要だと思いますか?」を尋ねたところ、55%が「そう思う」と回答した。

 PMS・更年期症状いずれも、その多くが不調について、「会社では誰にも相談できない/したくない」「責任が上がれば上がるほど、人に相談できない」「自分の身体のことであり、仕事に支障をきたしたり、影響があってはならない」と、1人で悩んでいることが分かった。

出典:大塚製薬、2022年

PMS・更年期症状は昇進にも影響

 それぞれの症状は仕事のパフォーマンスに影響し、昇進辞退や退職に至るケースもある。昇進での影響については、PMSで55%、更年期症状で40%の女性が職場での昇進を辞退したり、悩んでいることが分かった。

 その傾向は、管理職登用の機会があった女性でさらに高まり、女性の健康課題がキャリア形成に深刻な影響を及ぼすことが示された。また、退職を考えたケースも少なくないことも分かった。

 具体的には、PMSの症状は昇進を引き受けることに影響したかについて、20~44歳の管理職登用機会のあった正規雇用の会社員・公務員のうち、PMS症状を自覚し、日常生活に支障をきたすと回答した女性285人(ウェイトバック後379人)では、18%が「昇進を辞退したことがある」、37%が「昇進を辞退するか悩んだことがある」と回答した。

 さらに、更年期症状については、45~59歳の管理職登用機会のあった正規雇用の会社員・公務員のうち、症状を自覚し日常生活に支障をきたすと回答した女性249人(ウェイトバック後218人)では、16%が「昇進を辞退したことがある」、24%が「昇進を辞退するか悩んだことがある」と回答した。

出典:大塚製薬、2022年

職場の問題として企業にサポートを求める

 PMS・更年期症状に対し、多くの女性が自身で対処すべきと考えている一方、女性が活躍できる社会の実現に向け、その対策を企業としても取り組むべき課題ととええてほしいと考えていることも分かった。

 さらに、「PMSの対策に企業が取り組むべきだと思います?」という問いに対し、20~44歳の正規雇用の会社員・公務員のうち、PMSを自覚し日常生活に支障をきたすと回答した400人(ウェイトバック後429人)では、62%が「そう思う」と答えた。

 「更年期症状の対策に企業が取り組むべきだと思います?」という問いに対し、45~59歳の正規雇用の会社員・公務員のうち、更年期症状を自覚し日常生活に支障をきたすと回答した200人(ウェイトバック後138人)では、42%が「そう思う」と答えた。

出典:大塚製薬、2022年

女性の健康課題は女性活躍を妨げている

 これらのことから、女性活躍を妨げる要因のひとつとして、PMSや更年期の諸症状などの女性の健康課題が大きく影響していることが浮き彫りになった。

 いずれも女性ホルモン(エストロゲン)が深く関わっており、これらの諸症状とうまく付きあっていくには、正しい知識の習得や一般的なセルフケアに加えて、医療機関を利用し、自身の健康状態を把握して対処することが大切となる。

 女性の活躍を妨げる健康課題に適切に対応するためには、個人の対処だけに任せず、企業課題(企業ゴト)として取り組むことも求められる。同社は、これらをサポートするため、女性特有の健康課題についての「企業向けセミナー」「ウェブサイトによる健康リテラシー向上のための情報発信」を行っていくとしている

女性の健康推進プロジェクト (大塚製薬)
[Terahata]
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