第一種施設では敷地内の全面禁煙が増加 「令和3年度 喫煙環境に関する実態調査」より
今回、厚生労働省にて行われた「令和3年度 喫煙環境に関する実態調査」は、同改正法施行後、2021年12月時点の喫煙環境を調べたもので、全国の企業や法人、地方公共団体などから無作為に抽出した20,489施設に調査票を郵送。有効回答が得られた9,697施設(有効回答率47.3%)について集計したもの。
同調査は、子どもや患者などに配慮する形で定められた第一種施設(学校・児童福祉施設・病院・診療所・行政機関の庁舎など)では、火をつけて喫煙するたばこと、加熱式たばこを敷地内で全面禁煙にしている割合は全体の87.4%だった。施設種別で見ると、病院は100%だったが、大学院を除く高等教育機関(大学・短期大学)が65.8%、行政機関が66.9%と低かった。
施設内を全面禁煙にしていないものの、屋外で受動喫煙防止措置をとった「特定屋外喫煙場所」を設置している割合は、幼稚園から大学までの教育機関や児童福祉施設(保育園など)では100%だった。病院以外の医療施設や療術施設、介護老人保健施設では16.7%、行政機関では5.7%が未設置だった。
一方、多数の人が集まる第二種施設(一般施設・事業所、飲食店など)においては、火をつけて喫煙するたばこを屋内全面禁煙にしている施設は全体の71.6%、喫煙専用室を設置している施設は9.2%だった。また可燃式たばこを屋内全面禁煙としている施設は全体の70.3%だった。
令和2年度と令和3年度を比較すると、第一種施設の敷地内全面禁煙の状況は全ての施設種別で増加。特に「専修学校、各種学校、職業・教育支援施設」は70.9%から82.4%まで大きく増えた(令和2年度は病院・病院以外の医療施設などの調査を未実施)。
敷地内全面禁煙にしていない施設で、特定屋外喫煙場所を設置している割合は、「幼稚園、こども園、小学校、中学校、高等学校など」と「保育所などの児童福祉施設」が50%から100%まで倍増した。一方で行政機関は95.2%から94.3%に減った。
一方、第二種施設における、火をつけて喫煙するたばこの屋内全面禁煙の状況は、全体として72.2%から71.6%に減少した。「会社以外の法人・官公庁など」は84.9%から86.9%に増えたが、大企業が76.6%から66.6%に、中小企業が71.8%から70.2%に低下したことが影響した。


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