乳がん検診の「マンモグラフィ」は効果がある 革新的なマンモグラフィ検査も開発 女性の負担を軽減
がん検診を定期的に受ければ、がんを早期発見・治療できる
乳がんは、女性がかかるがんのなかでもっとも多く、患者数は年々増加している。検診を受けて早期に発見し、適切な治療を受ければ、9割が治る病気とされている。 そのために、乳がんの検査を定期的に受け続けることが大切だ。現在、乳がんの検診は日本でも、40歳以上の女性であれば2年に1度、自治体で受けることができる。 検診では、マンモグラフィが使用され、自治体によっては超音波検査(エコー)も併せて受けることができる。マンモグラフィ検査では、乳房のしこりや、カルシウムの沈着による石灰化がないかなどが調べられる。マンモグラフィ検査を受けていると乳がんを抑制できる
40代の女性は、乳がん検診でマンモグラフィ検査を定期的に受けていると、進行性の乳がんを抑制できることが、カナダのオタワ大学の調査で明らかになっている。 マンモグラフィ検査が、乳がんの早期発見につながり、生存率を改善することは、過去の調査でも確かめられているが、カナダでも検査を毎年受けられないでいる40代や50代の女性は少なくないという。 研究グループは、カナダで乳がんと診断された、40代と50代の女性5万5,490人を対象に調査した。 その結果、乳がん検診を受けないでいると、乳がんのステージ2の発症は、40代の女性では12.6%増加し、50代の女性では3.1%増加することが分かった。 ステージ2は、がんのしこりが大きくなり、わきのリンパ節に転移しており、乳房の切除が検討される段階だ。 乳がん検診を受けていないと、50代の女性の乳がんのステージ4は6年間で10.3%増加することも示された。ステージ4は、がん腫瘍が他の臓器に転移している深刻な状態だ。 「乳がんを早期に発見し、致命的な乳がんを減らすために、がん検診を定期的に受けることが大切です。可能であれば、検診を年1回受けることをお勧めします」と、同大学医学部で家庭医学を研究しているアンナ ウィルキンソン氏は述べている。マンモグラフィ検査により多くの女性の命が救われている
米国の別の調査でも、マンモグラフィ検査が普及したおかげで、30年間で50万人以上の女性が、乳がんによる死亡を防げたことが示されている。 マンモグラフィ検査は、1980年代頃から広く利用されるようになり、乳がんの治療法が進歩していることもあり、乳がんが原因で亡くなる女性は大きく減少している。 乳がんを早期発見し、治療を受けられれば、5年相対生存率は99%以上に上るという。 コロラド大学医学部やデューク大学医療センターなどは、過去30年間の40歳~84歳の米国女性の乳がんについてのデータを解析した。対象となった女性は、30万5,000人以上から48万3,000人以上に及ぶ。 その結果、2018年だけみても、年間に2万7,083人から4万5,726人の女性が、乳がんによる死亡を回避できたと推定されるという。 「マンモグラフィ検査の普及により、乳がんを早期に発見できるようになり、適切な治療をすることで、多くの女性の命が救われています。より多くの40歳以上の女性に、がん検診を受けることを推奨することが大切です」と、同大学放射線学のエドワード ヘンドリック教授は言う。
The Impact of Organised Screening Programs on Breast Cancer Stage at Diagnosis for Canadian Women Aged 40-49 and 50-59 (Current Oncology 2022年8月9日)
More than half a million breast cancer deaths averted in the US over three decades (Wiley 2019年2月11日)
Breast cancer deaths averted over 3 decades (Cancer 2019年5月1日)
Huge Study Finds Tomosynthesis Better at Breast Cancer Detection (北米放射線学会 2023年3月14日)
Mammographic Screening in Routine Practice: Multisite Study of Digital Breast Tomosynthesis and Digital Mammography Screenings (Radiology 2023年3月14日)
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