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2021年死亡率、10年ぶりに2.2%増へ、がんの死亡率は0.6%減
「国立がん研究センター」が分析結果を報告

 国立がん研究センターは、新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)のパンデミック期における日本人の年齢調整死亡率を、人口動態統計(全数調査)により分析し、死因別の死亡動向を明らかにした。
 それによると2021年の日本人の年齢調整死亡率は、前年より2.2%増加していた。前年比増は、10年前の東日本大震災の影響を受けた2011年以来で、その時の1.4%を上回っていた。

パンデミックが死亡率に与えた影響は?

 COVID-19のパンデミックに伴い、治療や検診の受診控えといった受療行動の変化や、医療・保健サービスの質の低下により、2020年以降の平均寿命の短縮(全死因死亡率の増加)が、世界的に報告されている。
 日本では他国と比較して死亡率の変化は指摘されてこなかったものの、詳細な検討は実施されていなかった。

 本研究は、厚生労働省が公表している人口動態統計の死亡データを精査し、1995-2021年の毎年の年齢調整死亡率を死因ごとに分析。COVID-1のパンデミック期における日本人の死亡率の動向を明らかにしたものである。

 その結果、2021年の全死亡率は、東日本大震災の影響を受けた2011年(対前年比1.4%増)以来、初めて増加に転じたことがわかった。前年と比べると2.2%の増加(男性2.1%増、女性2.2%増)で、2011年よりも増加率は高い。
 その主な原因は、COVID-19、老衰、循環器疾患(特に心疾患)の死亡率増加であった。

日本人の年齢調整死亡率(全死因)の推移
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

出典:「2021年の日本人の全死因死亡率は前年比で2.2%増加がん(悪性新生物)の死亡率は0.6%減少(スライド資料)」
P.7(2023.8)より

がん死亡率は前年比0.6%減と減少傾向続く

 死因別の分析では、COVID-19の直接的な影響に加え、感染による循環器疾患(特に心疾患)リスクの増加の可能性、そして医療機関における診療の制限による循環器疾患の救急体制への影響が考えられるようだ。
 また、老衰やその他の死因の増加もみられたことについては、「医療機関の診療体制の制限によって医療機関以外の場所での死亡が増加し、老衰や他の疾患の死亡診断が増えた可能性が考えられる」としている。

 一方、がん(悪性新生物)、肺炎、不慮の事故は、COVID-19のパンデミック期以前(2019年以前)からの年齢調整死亡率の減少トレンドに変化はなかった(自殺は男性で減少、女性で増加)。

 がんに関してみてみると、年齢調整死亡率は前年に比べて男女で計0.6%減少(男性1.0%減、女性0.4%減)しており、がんの部位ごとにみても大きな変化は認められず、2020・2021年ともに減少傾向を示したという。
 今回の解析を受け、「がんは、日本人の死因第1位であり全死因死亡率への影響が大きいものの、2021年の全死因死亡率増加に直接的には寄与していなかったことが明らかになった」と説明している。

日本人の年齢調整死亡率(悪性新生物)の推移
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

出典:「2021年の日本人の全死因死亡率は前年比で2.2%増加がん(悪性新生物)の死亡率は0.6%減少(スライド資料)」
P.8(2023.8)より

[保健指導リソースガイド編集部]
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