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冬は血圧が高くなりやすい 85%の人が健診で「高血圧」と言われて改善行動を実行 脳卒中や心臓病を予防

 オムロン ヘルスケアは、30代~70代の男女1万人を対象に、高血圧に対する意識と行動に関する調査を実施した。

 健康診断や人間ドックで3人に1人が「血圧が高め」と指摘されており、指摘された人の85%は、何らかの改善行動をとっていることが示された。

 「血圧が高め」と言われた2人に1人は、「医師の診察を受けた」と回答。「塩分を控えるなど、食事に気を付けている」「自宅で定期的に血圧を測定している」という人も38%に上った。

 「高血圧や糖尿病などの慢性疾患は、日々の生活をみつめなおして改善することで予防・改善することができます。血圧が高い状態が長く続くと、心臓に負荷がかかり心不全などを発症する原因になります」と、専門家はコメントしている。

 「これから寒くなるにつれて、平均血圧も高くなる傾向があります。冬場は脳卒中や心臓病などの高血圧に起因する疾患の発症が増える時期でもあります」と注意を呼びかけている。

健診で「血圧が高め」と言われた人の85%が改善行動をとっている

 オムロン ヘルスケアは、2023年9月に30代~70代の男女1万人を対象に、高血圧に対する意識と行動に関する調査を実施した。

 健康に関して不安を感じたことがあるという人は、全体の8割の上り、不安を感じている病気や症状は、(1) がん (34%)、(2) 高血圧 (29%)、(3) 肥満・メタボリックシンドローム (27%)、(4) 糖尿病 (22%)、(5) 脳卒中・脳梗塞 (15%)の順に多かった。

 肥満・メタボリックシンドロームや糖尿病については、30代や40代の若い年代でも不安を感じている人が多く、高血圧は60代や70代でとくに多く、不安を感じている人が3分の1を超えた。

 健康診断や人間ドックを受けて、「血圧が高め」と指摘されたことのある人は35%で、前回の2017年調査の32%から増えている。性別にみると、男性 45%、女性 25%となり、また年代別では、60代以上では約半数に上った。

 健診などで「血圧が高め」と指摘された後で、85%の人が何らかの改善行動をとっており、そのうち「医師の診断を受けた」が47%、「塩分を控えるなど、食事に気を付けている」「自宅で定期的に血圧を測定している」が38%、「運動をするようにしている」が34%に上った。

 「血圧を下げる薬を飲んでいる」と回答した人も42%に上り、前回調査の34%から増えた。一方で、改善行動を「何もしていない」という人は15%に上り、前回調査からほとんど変わっていない。

健診で「血圧が高め」と指摘された後にとった行動

出典:オムロン ヘルスケア、2023年

自宅で血圧を定期的に測定しているという人は半数近く

 「血圧が高め」で、血圧を自宅で定期的に測定しているという人は47%と半数近くに上り、前回調査の42%から増えた。一方で、血圧計を持っていないという人も19%に上る。

 血圧を定期的に測っていて良いことは、「その日の自分のからだの状態を確認でき、行動に反映できる」。一方で、測らない理由の第1位は「面倒だから」。

 自宅で血圧を定期的に測っている人は、良いこととして、「その日の体の状態を確認でき、行動に反映できる」(34%)、「血圧変動への不安が薄れ、安心感がもてるようになった」(30%)、「血圧値が改善した」(24%)を挙げた人が多かった。

 一方で、血圧を測らない理由としては「面倒だから」(45%)、「ついつい忘れてしまうから」(23%)、「毎日測らなくても問題ないと思うから」(21%)が多かった

血圧を自宅で定期的に測るメリット

出典:オムロン ヘルスケア、2023年

冬は血圧が高くなりやすい 日頃から血圧測定を

 調査結果について、東京医科大学理事長で日本心臓財団理事長の矢﨑義雄先生は、「今回の調査で不安に思う疾患として挙げられた高血圧や糖尿病などの慢性疾患は、日々の生活をみつめなおして改善することで予防・改善することができます。血圧は加齢とともに高くなる傾向があります。また、血圧が高い状態が長く続くと、心臓に負荷がかかり心不全などを発症する原因になります」とコメントとしている。

 「血圧はストレスや周囲環境の影響などを受け常に変動しています。季節によっても変動することも分かっており、これから寒くなるにつれて、平均血圧も高くなる傾向があります。冬場は脳卒中や心臓病などの高血圧に起因する疾患の発症が増える時期でもあります。血圧が高めと言われたことがある方は、これからの冬場を安心して、また安全に過ごすために、日頃から血圧を測定する、かかりつけ医に相談するなどをされてみてはいかがでしょうか」としている

 また、「コロナ禍を経て人々の健康意識や生活様式は大きく変化しました。健康情報に対する感度が高まり、今まで以上に現在および将来のご自身の健康状態が気になる方が増えているのかもしれません。定期的に血圧を測定している人や降圧剤を服用している人の割合が増加していることは、適正な血圧コントロールの側面からも好ましい傾向です」としている。

電子血圧計の50年間の歩みを紹介

 オムロンは、電子血圧計の第1号機を1973年に発売し、それからの50年間の歩みと「脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」の実現に向け、新たな取り組みをしている。

 血圧計の発売から50年間の歩みを紹介した動画も公開。同社の血圧計の歴史と測定精度と使いやすさへのこだわりや、グローバルで展開している学術活動なども紹介している。

オムロン ヘルスケア

公益財団法人 日本心臓財団
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