ニュース
【新型コロナ】ワクチン接種後に続く副反応でもっとも多いのは? ワクチン接種に不安を抱いている人は多い
2023年12月11日

岡山大学は、新型コロナのワクチンの副反応として持続する症状の特徴について、後ろ向き観察研究を行った。
ワクチン副反応の症状として多いのは、「感覚障害」「全身倦怠感」「発熱/微熱」「頭痛」であることが分かった。
「ワクチン接種による副反応に不安を抱いている人も多くいます。重篤な合併症を有する症例もあり、全身を包括的にみる体制が必要であることが確認されました」と、研究グループでは述べている。
ワクチン接種後に続く副反応でもっとも多いのは?
岡山大学病院は、新型コロナワクチン接種後の各種症状に対応する「ワクチン副反応外来」を設置しており、同外来を受診した患者164人を対象に、ワクチン接種後の副反応について調査した。接種後5日以上持続する副反応の症状を訴えた受診患者121人について記述的解析を行った。 その結果、新型コロナワクチンの接種後の持続的な副反応として頻度の高かった症状は、▼感覚障害(28.1%)、▼全身倦怠感(24.8%)、▼発熱/微熱(17.4%)、▼頭痛(17.4%)だった。 比較的重篤な病態は6人に認められ、その内訳は「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」「サルコイドーシス」「無菌性髄膜炎」「視神経脊髄炎」「付着部炎」「特発性血小板減少症」だった。 研究は、岡山県保健医療部保健医療課ワクチン対策室の支援を受けて実施されたもの。これまで、新型コロナワクチン接種後の急性期の副反応は国内外でも多く報告されているが、これまで持続する副反応に関する調査はほとんどなかった。
新型コロナワクチンの接種後の持続的な副反応
「感覚障害」「全身倦怠感」「発熱/微熱」「頭痛」が多い
「感覚障害」「全身倦怠感」「発熱/微熱」「頭痛」が多い

出典:岡山大学、2023年
ワクチン接種による副反応に不安を抱いている人は多い
新型コロナのワクチン接種は、新型コロナへの感染予防や重症化を防ぐために重要だが、ワクチン接種による副反応に不安を抱いている人も多くいる。 副反応としてどのような症状がどれくらい続くかが分かることで、症状への対応をスムーズに行うことができる。また、副反応の症状は多彩であるため、副反応についても全身をきちんと診察し、潜在する疾患を除外するなどの鑑別が重要としている。 研究は、岡山大学病院の「ワクチン副反応外来」を担当する、総合内科・総合診療科の徳増一樹助教、岡山大学学術研究院医歯薬学域 総合内科学の大塚文男教授らの研究グループによるもの。研究結果は、国際学術雑誌「Vaccines」に掲載された。 「総合内科・総合診療科では、新型コロナ後遺症外来(コロナ・アフターケア外来)とともに、ワクチン副反応外来を開設・運営できたことは、コロナ禍での対応のひとつとして大変意義のあることと捉え、これまで分かっているデータや研究成果を今後も積極的に発信してまいります」と、研究者は述べている。 岡山大学病院 総合内科・総合診療科岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)総合内科学
Characteristics of Persistent Symptoms Manifested after SARS-CoV-2 Vaccination: An Observational Retrospective Study in a Specialized Clinic for Vaccination-Related Adverse Events (Vaccines 2023年10月30日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」