オピニオン/保健指導あれこれ
禁煙指導のかんどころ
No.2 日常診療・健診・指導時にも使える短時間で行う効果的な禁煙支援方法
勤労者健康科学研究所
2013年03月08日
禁煙意思のある場合
5Aとは、禁煙支援の手順を示しています。
まずすべての患者に必ず喫煙するかを尋ね(Ask)、すべての喫煙者に対して、禁煙の重要性を理解してもらうために「禁煙する必要が有る」ことを「強く」「はっきり」と促し(Advise)、すべての喫煙者に禁煙しようと思うかを尋ね(Assess)、禁煙する気がなければ5Rへ、禁煙する気があれば禁煙の方法や禁煙外来の紹介等の禁煙支援を行い(Assist)、再喫煙しないよう対策を立て支援を継続する(Arrange)という手順になります。
禁煙意思がない場合
5Rは、禁煙への関心を高め禁煙の動機を強化する方法です。
まず禁煙の必要性を健診データや性・年齢といった喫煙者自身に直接関わる問題として関連づけ(Relevance)その人がナゼ禁煙する必要があるかを説明し、喫煙を続けた場合のリスク(Risks)、禁煙した場合のメリット(Rewards)を示し、禁煙を達成する際の障害となる問題(Roadblocks)を解決し、禁煙支援を繰り返し(Repetition)禁煙への動機を強化するという方法です。
厚生労働省も、「標準的な健診・保健指導プログラム」の改訂案の中で健診等十分、禁煙支援の時間が確保できない際に短時間で行う禁煙支援の方法を示した「禁煙支援簡易マニュアル」を策定し、本年3月中にも新しいプログラムを関係者に通知する方針を示しています。
日常診療や健康診断・保健指導の場面は、多くの喫煙者と出会う場でもあります。ぜひ、皆様が出会うすべての喫煙者に禁煙を促し情報提供し、一人でも多くの喫煙者を禁煙へと導いていただけたらと思います。
※図1 画像をクリックすると参考資料(厚生労働省 平成23年度「たばこ・アルコール対策担当者講習会」配布資料)にリンクします(PDF)
厚生労働省 平成23年度「たばこ・アルコール対策担当者講習会」
「禁煙指導のかんどころ」もくじ
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「禁煙指導」に関するニュース
- 2025年02月12日
- 肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が 健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年02月10日
- タバコを1本吸うごとに寿命は20分短縮 若い世代はタバコ規制を歓迎 「タバコ広告も禁止すべき」
- 2025年01月23日
- 1月23日は「一無、二少、三多の日」2月1日より「全国生活習慣病予防月間2025 」がスタート!
- 2024年12月25日
- 過去最少の野菜不足でも「改善するつもりはない」 睡眠不足も慢性的―令和5年「国民健康・栄養調査」より