ニュース

外食メニューの注意点 ヘルシーに食べるために気をつけたいポイント

 食べ過ぎが肥満につながることを理解していても、レストランなどの外食では「つい食べ過ぎてしまう」という人が少なくない。レストランなどの外食でメニューを見るときには、「これだけは見逃さない方が良い」という重要なポイントがある。
低カロリーの料理はおいしくない?
 レストランのメニューを見て「今日はヘルシーなものを選ぼう」という気持ちになる人は多い。でも、注意しなければならないのは、カロリー控えめの料理がメニューに載っていても、見落としてしまう可能性があることだ。

 ジョージア州立大学のジェフリー パーカー氏(マーケティング学)らが行った調査によると、レストランで食事を選ぶ際、多くの人はほぼ無意識に、メニューの中でヘルシーな料理が載っている箇所を見逃しているという。

 調査によると、レストランを訪れるお客はオーダーする料理を手早く絞り込んでおり、「比較的シンプルな評価基準を用いて、望まない選択肢を排除する」傾向があるという。

 研究者は、平均年齢31歳の男女272人を対象に調査を行った。参加者ははじめて訪れるレストランでメニューを渡され、どの料理を選んだかが記録された。メニューは3種類が作られていた――(1)料理のみを表示、(2)料理とカロリーを表示、(3)通常の料理と低カロリーの料理をまとめて表示したメニューが用意された。

 結果として、もっとも低カロリーの料理を注文する割合が高かったのは、料理とカロリーを並記したメニューを見たときだった。参加者の多くは、「ヘルシー」「ライト」「カロリー控えめ」と銘打たれたメニューに対しは、「あまりおいしくないのではないか」という印象をもったという。

 実際には、"カロリー控えめ"あるいは"500kcal以下"といったカテゴリーで括られた低カロリーの料理では"空腹を満たせない""おいしくない"といったことはない。「消費者は低カロリーの料理を頼んでも満足感を得られることを、経験的に学ぶ必要があります」と、パーカー氏は指摘している。

 このことから、レストランで料理を頼むときには、何となくメニューを見るのではなく、「ヘルシーな料理を選ぼう」という意識をしっかりもつことが大切だと結論している。メニューの中から低カロリーの料理を探して、そこから選ぶように習慣付けることが肝心だとしている。

「野菜や果物をとっていれば大丈夫」は間違い
 レストランなどの外食を利用するときに、もうひとつ陥りがちな失敗がある。それは「野菜や果物を多くとれば、低カロリーになるとは限らない」ということだ。

 最近の健康への関心の高まりを受け、レストランでは野菜や果物を増やしたメニューが人気を集めている。確かに、野菜は、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれるヘルシーな食品だ。しかし、調理方法によっては高カロリーになってしまう場合があるので注意が必要だ。

 アラバマ大学のキャスリン カイザー氏(統計学)は、体重減少に効果的な食事パターンを探る目的で、1,200人以上の男女の食事とカロリー摂取に関するデータを解析した。その結果、野菜や果物の摂取量が多い人が必ずしもカロリー摂取量が少ないわけではなく、痩せてもいないことに気が付いた。

 米国の食事ガイドラインでは、健康的な食事には野菜と果物が欠かせないことを強調しており、これらの食品が健康的であるとの認知は広がっているが、特に外食ではカロリーの過剰摂取が目立つ結果になったという。

 「レストランで野菜や果物を注文する人が多く、嗜好に合わせてメニューも開発されています。しかし、メニューを見るときには、カロリーがどれくらいあるかをチェックした方が良いのです」と、カイザー氏は言う。

 野菜そのものは低脂肪で低カロリーなので、サラダはカロリーが低いという思い込みが多いが、実際にはサラダにかけるドレッシングは油が半分、あるいはそれ以上を占めるものがある。また、ポテトやマカロニ、チーズなどの炭水化物の多い食材を使うと、サラダも高カロリーになってしまう。

外食ではスマホでカロリーをチェック
 「食事のカロリー摂取量を全体を減らさなければ、体重は減りません。体重を減らす魔法がかけられた食品というものは実際には存在しません。野菜を食べるときには、カロリー全体に目配せする必要があります」と、カイザー氏は指摘する。

 ただし、「ダイエットで食事の量が減っているときには、ビタミンやミネラルも不足しやすいので、それを防ぐために、しっかり野菜をとる」といった目的であれば、野菜や果物を使ったメニューを注文することに意味があるという。

 外食は量が多く、油をたくさん使っているものが多いので、カロリーも高くなる。高カロリーの食品を食べ過ぎないためには、最初から量を減らしてもらうか、残して全部を食べないようする工夫が役立つ。また、フライドポテトやベイクドポテトをサラダに交換するのも効果的だという。

 「メニューのカロリーをインターネットで公開している店も増えているので、スマートフォンでチェックすることをお勧めします」とアドバイスしている。

Low-Calorie Restaurant Menus: Are They Making Us Fat?(シカゴ大学 2014年6月18日)
Fruits and vegetables: good for health, not necessarily a weight loss method(アラバマ大学 2014年6月25日)

[Terahata]
side_メルマガバナー

「栄養」に関するニュース

2023年08月28日
極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
2023年08月28日
カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
2023年08月28日
週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
2023年08月28日
高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
2023年08月21日
朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
2023年08月21日
ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
2023年08月15日
スマホやゲーム機で遊ぶ時間が長いと睡眠障害に 子供の言語力や認知力の発達が低下 食習慣も大切
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年08月07日
【がん予防の経済効果】 がんのリスク要因を減らして1兆円超の経済的負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が重要
2023年08月01日
肥満やメタボになりやすい生活習慣は子供のうちに身についている 子供の頃から保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶