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てんかん発作、異変を事前検知しスマホにアラーム 京都大などが開発

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 てんかん患者の心拍データを日常的に測定し、発作を事前に検知する機器を京都大などのグループが開発した。
てんかん発作を予測し事故を未然に防ぐ
 てんかんとは、脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動に起因するけいれん、意識障害などの発作を来す疾患であり、てんかん患者は性別・年齢を問わず人口の約1%いるとされる身近な病気だ。

 てんかんの発作に伴う事故によって重傷や死亡につながる場合があり、発作に伴う交通事故や風呂場での溺死などが数多く報告されている。

 しかし、患者が数秒前でも発作の兆候を検知できれば、発作までに身の安全を確保することができ、生活の質(QOL)を改善することができると期待される。

 開発した機器は、心拍を読み取る機器を患者が装着し、専用ソフトを組み込んだスマートフォンでデータを解析し警告する仕組み。

 身体的な負担が少ないのが特徴で、これまで脳波などから発作の兆候を読み取る研究はあったが、患者がこうした機器を装着して行う治療法は世界でも例がないという。

 機器を開発したのは、京都大学情報学研究科の藤原幸一助教や東京医科歯科大の宮島美穂医師、熊本大のグループ。

 てんかんの原因となる脳内の異常な信号は、心拍などを制御する自律神経にも影響を及ぼすことが分かっている。心拍データの異変を検出すれば、けいれんなどの発作を数十秒から数分前に知ることができる可能性もあるという。

患者や家族が危険回避などの対応をとれる
 研究グループは、患者の体に3つのセンサーを装着して心拍データを計測。これを無線通信で分析プログラムを組み込んだ市販のタブレット端末に転送する。発作の兆候である心拍の変動を検知してアラームなどで警告する。

 今後、通常時のデータを積み重ねて発作の前兆かどうかの判断基準を定める作業をする。東京医科歯科大などで患者に装着してもらってデータを集める臨床研究も計画されている。

 機器が完成すれば、装着したまま日常生活を送ることが可能で、機能すれば警告から発作までの間に、患者本人や周囲の人が危険回避などの対応を取ることが可能になる。

京都大学ICT連携推進ネットワーク