ニュース

即席めん中心の食事スタイルが肥満やメタボを増やす

 即席めんをよく食べる食事スタイルは、肥満やメタボリックシンドロームを引き起こしやすいという調査結果が発表された。「即席めんを食べるときは、野菜を加えるなどして、食品構成に気を配った方が良い」と専門家はアドバイスしている。
即席めんを週2回以上食べる女性で肥満が増加
 この研究は米国のハーバード公衆衛生大学院やベイラー大学などが発表したもので、調査は1万711人の韓国人を対象に行われた。参加者の年齢は19~64歳で、54.5%が女性だった。

 研究チームは、食事スタイルを大きく2つに分けて比較した。ひとつは米、野菜を豊富に摂る「伝統的な食事スタイル」、もうひとつは炭水化物と脂肪の多い「ファストフード中心の食事スタイル」。

 手軽においしい食品を利用できることから、即席めんの消費は韓国や中国で増えている。ファスフードでもっとも多く利用されるのは即席めんだという。

 解析した結果、ファストフード中心の食事スタイルをもつ人では、内臓脂肪型肥満が1.41倍に増えることが判明した。悪玉のLDLコレステロール(130mg/dL以上)も1.57倍に増えていた。一方、伝統的な食事スタイルをもつ人では、内臓脂肪型肥満が0.76倍に、高血圧が0.73倍に減っていた。

 もっともメタボリックシンドロームが増えたのは、即席めんを週に2回以上食べる女性で1.68倍に上昇していた。

 最近では、低カロリー・低脂肪の健康志向の即席めんも登場しているが、即席めんの多くは塩分が過剰に含まれている。韓国でもっとも売れている即席めんには、韓国の食事ガイドラインで推奨されている摂取量の90%に相当する塩分が含まれるものがあるという。

 「即席めんを食べるときは、塩などの調味料を少なめにし、野菜を加えてビタミン・ミネラルを補った方が良い。魚を加えれば、体に良いオメガ3脂肪酸を摂ることができる。スープは塩分が多いので、全て飲まないで残した方が良い」と、専門家は指摘している。

 即席めんを食べること自体が悪いというわけではないが、即席めんやファストフードを中心とした食事スタイルは生活習慣病のリスクを高めるので、注意が必要だ。

Instant Noodle Intake and Dietary Patterns Are Associated with Distinct Cardiometabolic Risk Factors in Korea(米国栄養学会 2014年8月1日)

[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2023年08月09日
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年07月28日
2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
2023年07月24日
標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
2023年07月11日
自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
2023年06月20日
肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
2023年06月12日
自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
2023年06月05日
要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
2023年05月19日
令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
2023年05月18日
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶