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即席めん中心の食事スタイルが肥満やメタボを増やす
2014年09月01日
即席めんをよく食べる食事スタイルは、肥満やメタボリックシンドロームを引き起こしやすいという調査結果が発表された。「即席めんを食べるときは、野菜を加えるなどして、食品構成に気を配った方が良い」と専門家はアドバイスしている。
即席めんを週2回以上食べる女性で肥満が増加
この研究は米国のハーバード公衆衛生大学院やベイラー大学などが発表したもので、調査は1万711人の韓国人を対象に行われた。参加者の年齢は19~64歳で、54.5%が女性だった。
研究チームは、食事スタイルを大きく2つに分けて比較した。ひとつは米、野菜を豊富に摂る「伝統的な食事スタイル」、もうひとつは炭水化物と脂肪の多い「ファストフード中心の食事スタイル」。
手軽においしい食品を利用できることから、即席めんの消費は韓国や中国で増えている。ファスフードでもっとも多く利用されるのは即席めんだという。
解析した結果、ファストフード中心の食事スタイルをもつ人では、内臓脂肪型肥満が1.41倍に増えることが判明した。悪玉のLDLコレステロール(130mg/dL以上)も1.57倍に増えていた。一方、伝統的な食事スタイルをもつ人では、内臓脂肪型肥満が0.76倍に、高血圧が0.73倍に減っていた。
もっともメタボリックシンドロームが増えたのは、即席めんを週に2回以上食べる女性で1.68倍に上昇していた。
最近では、低カロリー・低脂肪の健康志向の即席めんも登場しているが、即席めんの多くは塩分が過剰に含まれている。韓国でもっとも売れている即席めんには、韓国の食事ガイドラインで推奨されている摂取量の90%に相当する塩分が含まれるものがあるという。
「即席めんを食べるときは、塩などの調味料を少なめにし、野菜を加えてビタミン・ミネラルを補った方が良い。魚を加えれば、体に良いオメガ3脂肪酸を摂ることができる。スープは塩分が多いので、全て飲まないで残した方が良い」と、専門家は指摘している。
即席めんを食べること自体が悪いというわけではないが、即席めんやファストフードを中心とした食事スタイルは生活習慣病のリスクを高めるので、注意が必要だ。
Instant Noodle Intake and Dietary Patterns Are Associated with Distinct Cardiometabolic Risk Factors in Korea(米国栄養学会 2014年8月1日)
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