ニュース
男性の理想的なライフスタイル これだけ守れば健康寿命を延ばせる
2014年09月25日

男性が5項目の健康的なライフスタイルを実践していると、心筋梗塞などの心臓病を80%以上の割合で予防できることが、スウェーデンの研究で明らかになった。
心筋梗塞のリスクが最大で86%減少
年齢が高くなると、心筋梗塞や狭心症などの心臓病を発症するリスクは上昇する。「これらの病気に対する医療の質は年々高まっていますが、もっとも身体的な負担が少なく、医療費の削減にもつながるのは、健康的なライフスタイルを実行して、予防することです」と、スウェーデンのカロリンスカ医科大学環境医学研究所のアグネータ オーケソン氏は言う。
5項目のライフスタイルとは次の通り――
(1)健康的な食事をする野菜、果物、全粒粉、魚類、豆類、ナッツ類、低脂肪の乳製品などを毎日食べ、全体のカロリーを摂り過ぎないようにする。 (2)運動を毎日行う
ウォーキングなどの中強度の運動を1日に40分以上行い、週に1時間以上の筋力トレーニングを取り入れた運動を行う。 (3)アルコール摂取量を管理する
適度なアルコール摂取を心がけ、飲み過ぎないようにする。 (4)腹囲(へそ周り)のサイズを管理する
腹囲周囲径をはかり、内臓脂肪が増えないように管理する。 (5)たばこを吸わない
喫煙習慣のある人はすぐに禁煙を。適切な禁煙治療を受ければ、禁煙は難しくない。 研究チームは、45~79歳のスウェーデン人男性2万721人を対象に、食事、運動、アルコール摂取、内臓脂肪、喫煙などのライフスタイルについてアンケート調査を行った。 11年間の追跡期間中に、1,361人が心筋梗塞を発症した。健康的なライフスタイルを実行している項目が増えるほど心筋梗塞のリスクは減少した。食事と飲酒に関する項目のみを実行している場合は35%減少した。 さらに、5項目のライフスタイルの全てを実行している男性では、ひとつも実行していない男性に比べ、心筋梗塞を発症するリスクが86%も減少することが明らかになった。 「ライフスタイルを改善することで心臓病を予防できることが確かめられましたが、これは驚くべきことではありません」と、オーケソン氏は言う。「驚くべきことは、ひとつでも健康的なライフスタイルを増やせば、心臓病のリスクを劇的に減らせると分かったことです」。 ただし、5項目の全てを実行している男性は1%しかいなかったという。「自分の生活を見直し、不健康な要因をひとつでも多く見つけだし、健康的なスタイルに変えていくことが大切です。できることから、今すぐ始めるべきです」と、オーケソン氏は強調している。 Healthy Lifestyle Choices May Dramatically Reduce Risk of Heart Attack in Men(米国心臓学会 2014年9月22日)
Low-Risk Diet and Lifestyle Habits in the Primary Prevention of Myocardial Infarction in Men : A Population-Based Prospective Cohort Study(Journal of the American College of Cardiology 2014年9月30日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年08月21日
- 歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
- 2025年07月07日
- 子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
- 2025年06月27日
-
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】 - 2025年06月17日
-
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断 - 2025年06月02日
- 肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
- 2025年05月20日
-
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化 - 2025年05月16日
- 高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
- 2025年05月16日
- 【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
- 2025年05月12日
- メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
- 2025年05月01日
- ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】