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糖尿病腎症を予防 埼玉県の市町村がレセプトを活用した事業を開始

 健康診断や医療機関などへの受診(レセプト)データを糖尿病対策に生かす――。埼玉県で、そんな新しいプロジェクトが動き出した。
市町村が共同で糖尿病腎症に対策 全国初の試み
 埼玉県は、レセプトデータを活用した糖尿病腎症の重症化を予防する事業を始めると発表した。県内の約100万人を対象に、検診やレセプトデータを活用して、国民健康保険加入者の健康状態に即した的確な保健事業につなげる活動を開始する。

 予防対策事業の対象となる自治体は、さいたま市や川越市、所沢市、朝霞市など18市町。入間市では単独ですでに事業を行っている。効果を検証しながら今後は全県へ広めていく。県によると、複数の市町村が共同で糖尿病腎症の対策に当たるのは全国ではじめてだという。

 糖尿病は自覚症状が出にくく、本人も気づかぬうちに進行するとやがて腎不全や脳卒中、心筋梗塞の引き金となり、重症化しやすい。一方で、食事療法と運動療法を継続し、適切な治療を受けることで、病状の維持や改善などの効果を挙げられることが分かっている。

 こうしたことから、今回のデータヘルス事業では、生活習慣改善のための生活指導の効果が期待できる糖尿病について、データヘルス事業を展開することとなった。

 腎臓には糸球体という細い血管が集まった非常に小さな組織があり、血液から老廃物を濾過して排出している。糖尿病腎症は、糸球体が細小血管障害によって壊される疾病だ。

 糖尿病腎症から慢性腎不全に移行し、透析が必要となるケースが少なくない。人工透析に移行してしまうと週3回(1回当たりの治療時間4~5時間)程度の頻度で治療をする必要が生じ生活の質(QOL)が低下する。早期に発見して治療することで、透析まで症状が進むのを防げられる可能性が高い。

 対象となるのは国民健康保険の被保険者約100万人。県によると、県内の糖尿病の推計患者数は約31万8,000人。重症化によって透析に移行した患者は5,812人に上る(平成22年調査)。

保健師が半年間マンツーマンで生活改善を実施
 プロジェクトでは、特定健診やレセプトデータから、「糖尿病腎症」が進んでいる人と病状の進行度合いをピンポイントで抽出。

 通院して治療して治療を受けている患者に対しては保健師などが、かかりつけ医の指示を受けながら半年間マンツーマンで生活指導を実施し、生活習慣を改善するための支援を行う。

 糖尿病の重症化リスクが高いにも関わらず、治療していない人や治療を中断してしまった人に対しても、医療機関への受診を勧奨する。

 保健師などによる生活指導は、糖尿病治療と並行して実施することで、人工透析への移行を防止するための取り組みのポイントとなる。

 埼玉県では、団塊の世代が後期高齢者となるとされる2025年までの間、75歳以上の人口の伸びが全国でもっとも高くなる見込みで、県民の健康保持の増進と、医療費適正化への対策が重要な課題となっている。

 上田清司埼玉県知事は定例記者会見で、「糖尿病の患者1人当たりの医療費は、人工透析前年間約50万円ほどだが、人工透析後は10倍の約500万円に上昇する。透析導入を食い止めなければ、10年後には医療費は今の1.5倍近くに増加すると見込まれている」と述べている。

 「データを活用して糖尿病の重症化予防に取り組むことは、県民の生活の質の維持や医療費の抑制にもつながる」としている。

レセプトデータ等を活用した糖尿病性腎症重症化予防対策を開始します(埼玉県保健医療部 2014年11月11日)

[Terahata]

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