ニュース
がんや糖尿病などの慢性疾患で年間1600万人が死亡 WHO報告書
2015年01月25日
2型糖尿病やがんなど不健康な生活スタイルが原因で起こる疾患により、毎年1,600万人が死亡していることが、世界保健機関(WHO)の報告書で明らかになった。
毎年1,600万人がNCDが原因で早死
WHOは心血管疾患、糖尿病、肺疾患、特定のがんなどの疾患を「非伝染性疾患」(NCD)として位置付けており、世界規模の対策が必要だと訴えている。
WHOがまとめた「慢性疾患の予防と管理」報告書は、喫煙や大量の飲酒、脂肪分や塩分、糖分の過剰な摂取などの不健康な生活スタイルが、全世界で死亡原因の上位を占めるさまざまな疾病のまん延を引き起こしていると指摘している。
それによると、全世界で年間に3,800万人がNCDにより死亡している。うちの1,600万人は、70歳未満だった。また、全世界では毎年1,600万人が、NCDが原因で早死にしており、うち82%は低・中所得国に集中している。
「NCDは80~90歳代の高齢者だけでなく、30~40歳代の若い世代でも増えています」と、『慢性疾患の予防と管理』報告書をまとめたシャンティ メンディス氏は言う。
NCDがもたらす経済的な損失は全世界で820兆円(7兆ドル)に上り、有効な対策を施さないと次世代に持ち込まれることになると警告している。
WHOは、2011~2025年にNCDによる早死を減らすために、9項目の対策を世界規模で拡げることを求めている。
NCDに対策するためにWHOが掲げる9項目の目標▽NCDによる早期の死亡数を25%減少
▽アルコールの過剰摂取を10%減少
▽運動不足を10%減少
▽塩分の過剰摂取を30%減少
▽15歳以上の喫煙者を30%減少
▽高血圧の発症を25%減少
▽2型糖尿病と肥満の予防
▽心臓病と脳卒中を防ぐために必要な薬物療法を受けられるようにする
▽80%の人が必要な医療サービスを受けられるようにする
健康増進を促す政策が次世代の未来を救う
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「がん」に関するニュース
- 2023年08月07日
- 【がん予防の経済効果】 がんのリスク要因を減らして1兆円超の経済的負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が重要
- 2023年07月31日
- どんな女性が乳がん検診を受けていないかを調査 がん検診の受診率を高めるために何が必要?
- 2023年07月10日
- 活発に体を動かしている高齢者は生活の質が高い 運動・身体活動は老化を遅らせる最適な方法
- 2023年07月05日
-
行政事業レビュー「がん診療連携拠点病院機能強化事業等」
「がんの死亡率減少」と「仕事と治療の両立」が議論の焦点に - 2023年06月26日
- 「高齢社会白書」2023年版を発表 高齢者の社会参加が健康や生きがいを生み出す 各地の取組みも紹介 内閣府
- 2023年06月19日
- 肺がんを検診で早期発見・治療すると生存率と医療費が改善 京都市が市民を対象に調査 肺がんは早期発見がカギ
- 2023年06月12日
- 【子宮頸がん】日本はHPVワクチン接種と検診の実施率が低い 子宮頸がんの罹患率と死亡率がともに増加
- 2023年05月19日
- 令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
- 2023年05月08日
-
「誰一人取り残さない」第4期がん対策推進基本計画が閣議決定
がん検診受診率目標60%、デジタル化の推進 - 2023年04月04日
- 乳がん検診の「マンモグラフィ」は効果がある 革新的なマンモグラフィ検査も開発 女性の負担を軽減