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日本肥満症予防協会が設立 「肥満症」が健康障害を引き起こす
2015年02月18日
日本肥満症予防協会(理事長:松澤佑次・住友病院院長)が2月12日に設立を発表し、今年4月から本格的活動を始めることを明らかにした。肥満はさまざまな健康障害の基盤となることから、予防・啓発に対する関心は高まっている。
「日本肥満学会など専門家の間ではすでに肥満症やメタボリックシンドロームに関する研究は活発に行われいるが、社会に向け啓発する機会は少なかった。今後は医師だけでなく、保健指導の専門家や企業などとも連携して情報を共有し、全国に発信していきたい」と、松澤氏は設立の主旨を説明した。
肥満症が引き起こす健康障害は予防・改善が可能
厚生労働省の2013年国民健康・栄養調査によると、「肥満度」の基準となる指数であるBMI(体格指数)が25以上の「肥満」の人の割合は、男性で28.6%。特に男性の40歳代(34.9%)、50歳代(31.1%)では、およそ3人に1人が肥満者だ。女性でも肥満者は20.3%と5人に1人に上り、50歳代(21.9%)、60歳代(21.5%)で特に多い(関連記事)。
日本肥満学会は肥満症について「過栄養や運動不足などにより、脂肪が過剰に蓄積した状態であり、肥満に起因する疾患を有しており、減量を必要とする病態」と定義している。具体的には「肥満症診断基準2011」で、肥満(BMI 25以上)で、あるいは内臓脂肪面積が100cm2以上の「内臓脂肪型肥満」があり、肥満に起因ないし関連する11疾患に及ぶ健康障害のいずれかがある場合とされている。
肥満が引き起こす健康障害は、2型糖尿病や脂質異常症、高血圧、高尿酸血症などに加えて、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、月経異常、睡眠時無呼吸症候群、変形性関節症、腎臓病などがある。肥満症は体重を減らすことで予防・改善が可能で、肥満に伴う健康障害の多くを改善できることが明らかになっている。
松澤氏は内臓脂肪を前提としたメタボリックシンドローム概念の前身となる「内臓脂肪症候群」を提唱して、インスリン抵抗性や高血圧などに関連の深い「アディポネクチン」を発見した功績が評価され、日本人としてはじめて国際肥満学会最高賞「ヴィレンドルフ賞」を受賞した。松澤氏は肥満研究の第一人者で日本肥満学会理事長などを歴任した。
日本では、日本肥満学会が2000年に「肥満症診断基準」、2006年に「肥満症治療ガイドライン2006」、2011年に「肥満症診断基準 2011」を策定し、2005年にはメタボリックシンドロームの診断基準を作成するなど、「肥満研究の分野で日本が世界をリードしている」と松澤氏は言う。
体重を増加させない健康的な生活習慣を啓発
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