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脳卒中全国ワーストから脱却 岩手県が「いわて減塩・適塩の日」を設定
2015年06月11日

岩手県は脳卒中による死亡率の全国ワーストから脱却しようと、「岩手県脳卒中予防県民会議」を展開している。このほど食生活の改善を推進するために、毎月28日を「いわて減塩・適塩の日」に設定することを決めた。
毎月28日は「いわて減塩・適塩の日」
岩手県は脳卒中による死亡率の全国ワーストから脱却しようと、2014年9月に「岩手県脳卒中予防県民会議」(代表・達増拓也知事)を設立した。盛岡市で開かれた同県民会議の2015年度総会では、産学官の連携を強化し、事業計画案の新規事業に取り組むことを発表した。
同県民会議は、同県の脳卒中死亡率が全国でもっとも高く、ワーストからの脱却を目指して設立された。企業・団体の参加数は設立時の103団体から301団体に拡大した。
食生活の改善運動などを推進するために、毎月28日を「いわて減塩・適塩の日」に設定すると決めた。高血圧から脳卒中につながる過剰な塩分摂取を改め、適塩メニューの提案や健康づくりイベントなどで減塩の意識を高めるキャンペーン活動を展開していく。
脳卒中の死亡率 岩手県は全国ワースト 過剰な食塩摂取が原因

健康づくりへの取組みは地域社会が中心
取り組みのひとつとして、各家庭に地元の主婦が塩分測定器を持って訪問する「隣のおみそ汁」調査を開始し、5年間で1万世帯以上の訪問を目指している。
参考にしたのは長寿日本一の長野県。1981年から3年間の「県民減塩運動」でみそ汁の塩分測定などを行い啓発活動に努めたところ、主婦の1日の摂取塩分量は約5g減少したという。
「健康づくりへの取組は、これまで、個人に対する取組みが中心でしたが、今後は、個人への対策だけでは解決できない課題への取組みとして、地域社会の健康づくりを進めていくことが必要です」と、同県民会議では強調している。
今年度事業計画では、8月1日に盛岡市で脳卒中予防県民大会を開催するほか、食生活改善キャンペーン事業を展開する。
健康運動事業として優良な取り組みを率先している企業・事業所を表彰する制度を創設し、いわて国体を機に健康運動の習慣を定着させる試みや、禁煙推進事業の継続なども掲げている。
岩手県脳卒中予防県民会議を設立(岩手県 2014年9月16日)第1回S-1g(エス・ワン・グランプリ)大会 結果発表(国立循環器病研究センター)
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