ニュース
水虫に対策するための7つのケア 足の臭いが気になったら注意
2015年06月24日

雨の多い梅雨の季節がやってきた。高温多湿でじめじめするこの時期に、気になるのが水虫だ。水虫の原因になる真菌は、体力が落ちているときや抵抗力が弱くなっていると増殖し、トラブルの原因になる。水虫に感染しないために、日常生活で心がけることが肝心だ。
真菌感染症は、皮膚にカビ(真菌)が寄生して起きる皮膚病。一般的な真菌感染症としてもっとも多いのは、真菌の一種の白癬菌が寄生して起きる足白癬(水虫)で、次に多いのが、主に足の指の爪にできる爪白癬。ほかにも、顔や首、手、股などに起こる体部白癬、頭髪部にできる頭部白癬などがある。
足に80種類以上の真菌が生息
「人間の細胞は、多くの細菌や真菌と共生しており、体全体が生態系になっているといえます。真菌は体のさまざまな部位で生息しており、特に足には多く、健康な人の足にも80~100種類の真菌が生息しています」と、ハーバード大学医学部のレイチェル コットン氏は話す。
水虫は、足の裏や指の間の角質層に常在する白癬菌が増えることによって起こる感染症だ。皮膚(角質層)がアカとなってはがれ落ちると、白癬菌もそれに付着してともにはがれ落ちる。皮膚が乾燥していれば洗い流せば感染しないが、気温や湿気が高いと白癬菌が皮膚の角質層に侵入し繁殖しやすくなる。
なぜ白癬菌は足を好むのか? 「足は靴や靴下を履いているため湿度が高くなっています。特に夏の靴の中は湿度が95%にも及びます。また、足は体の一番下にあるため、体の他の部分に比べて温度が低い傾向があります」と、コットン氏は説明する。
水虫を防ぐための足のケア
白癬菌は湿度70%以上、温度15℃以上になると活発に増殖するため、梅雨から蒸し暑い夏には注意が必要だ。生活でちょっとした工夫をすることで白癬菌の感染を抑えられる。
・ 帰宅したらすぐに足を洗う帰宅したら、すぐに足を石鹸で洗って清潔に保つことが望ましい。洗い方は、足の指一本一本を丁寧に洗うことが肝要だ。
いちいち浴室に行くのは面倒という人は、水虫ができやすい足指の間やかかとを洗い、 ティッシュペーパーを使い乾燥させよう。
アルコールを含んだティッシュペーパーや脱脂綿が用意できれば、汗だけでなく、水虫菌の栄養分となる皮脂を拭き取ることもできる。

カビが増える状況をできるだけ減らすことが効果的なので、汗や汚れをそのまま放置せず、清潔を保つと効果的だ。
風呂やシャワーをこまめに利用し、体全体せっけんを使って洗い、よく乾かそう。
気になる場合は、薬局やドラッグストアで販売されている抗真菌剤入りのシャンプーやボディシャンプーを利用する方法もある。 ・ 通気性の悪い靴・靴下を避ける
入浴後やスポーツなどで汗をかいた後は、足をしっかり乾燥させ、なるべく涼しく保つことが大切。通気性の悪い靴・靴下はなるべく避けよう。 ・ 部屋をこまめに掃除する
水虫になると、皮膚が剥離してはがれやすくなる。はがれた皮膚にいる白癬菌は感染力をもつ。感染を予防するために、部屋の掃除が重要だ。
剥がれた皮膚を掃除機でこまめに吸い取るようにしよう。 ・ 足拭きマットは汚染されやすい
水回り、特に浴室にある足拭きマットなどは、白癬菌により汚染されやすい。家族に水虫の人がいる場合は、足拭きマット、タオル、爪切り、スリッパなどはその人専用のものを用意する。
面倒な場合は、水虫の人は足拭きマットを使わずに使い捨てのキッチンタオルなどで足を拭こう。
・ 共同で使う施設では素足を避ける
フィットネスクラブやサウナなどの共同で使う場所でも感染しやすい。足拭きなどを避けても、水虫の人の皮膚が剥離していて、それを踏んでしまうと感染してしまう可能性がある。
共同で使う施設に行ったときは、サンダルを履くなどして素足でいるのを避け、帰宅後にケアすることが重要だ。 ・ 医師の診断を受ける
爪の水虫は皮膚の水虫と違ってかゆみがないばかりか、見た目ではわからないこともある。しかし、放置すると爪が厚くなり手入れをしにくくなる。また、変形したり割れやすくなって、ケガのもとにもなる。
皮膚病や水虫に悩まされている人は、医師に診断してもらい適切な治療を受けることが望ましい。 ・ 糖尿病の人は特に注意が必要
糖尿病の人が血糖値が高い状態が続くと、全身の血管だけでなく、神経も障害される。そのため、痛みや熱さなどに対する感覚が鈍くなり、足の変形、たこやうおのめなどが起こりやすくなる。
さらに、免疫の働きも低下するので、ちょっとした障害でも重症化しやすく、小さな傷から潰瘍や壊疽が起こることがある。
足の変化をいち早く発見して治療をする「フットケア」を行うと、症状が悪化するリスクを減らせる。
日ごろから足を観察し、「水虫」「乾燥やひび割れ」「たこやうおのめ」「靴ずれ」「皮膚の色や温度」などを見逃さないようしよう。異常が起きていればに医師に相談し、ケアを受けることが重要だ。 Just Skin Deep — Your Immune System at the Surface(PLOS Blog 2015年6月5日)
Skin care: 5 tips for healthy skin(メイヨークリニック 2014年12月16日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2023 SOSHINSHA All Rights Reserved.

「健診・検診」に関するニュース
- 2023年02月24日
-
がん検診発見例が減り早期がんも減少傾向だが、現時点での評価は困難
国立がん研究センター「院内がん登録全国集計」速報値より - 2023年01月20日
- 保健師など保健衛生に関わる方必携の手帳「2023年版保健指導ノート」
- 2023年01月17日
- 【特定健診】40歳以上の半数は生活習慣病かその予備群 健診受診率の引き上げと、働く人のヘルスリテラシーを向上することが課題に
- 2023年01月16日
- わずか「1分間の運動」でも健康効果が 忙しい人も仕事や家事の合間に簡単な運動を行うと寿命を延ばせる
- 2023年01月05日
- 特定保健指導は効果があった! 肥満指標はわずかに改善 血糖や中性脂肪も 582万人のデータを解析
- 2023年01月04日
- 【もっとも読まれたニュース トップ10】変化の年だった2022年 保健指導リソースガイド
- 2022年12月20日
- 健診で「腎臓病」を指摘されても、医療機関で診断を受けたのは5年以上も後 理解促進と対話の場が必要
- 2022年12月15日
-
日本産業保健師会が「新任期産業保健師養成研修」「産業保健師リーダー養成研修」を開催
参加型研修を重視し、キャリアラダーに基づいた産業保健師のための研修会 - 2022年12月12日
- 13種類のがんを1回の血液検査で発見できる次世代診断システム 「がんの種類」を高精度で区別 がん研究センターなど
- 2022年12月06日
-
40歳未満の健診情報もマイナポータルで確認・閲覧可能へ
若年世代からの生活習慣病予防・健康づくりを