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東日本大震災 沿岸部住民で抑うつ傾向が高い コホート調査で確認

 東日本大震災による影響とみられる抑うつ症状がみられる住民は内陸部より沿岸部に多いことが、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が宮城県民を対象に行ったコホート調査で明らかになった。
抑うつ傾向は沿岸部では内陸部の1.4倍高い
 同機構は、宮城県では東北大学、岩手県では岩手医科大学がそれぞれ事業主体となり、15万人の参加を目標としたコホート調査を実施している。2015年6月現在で3万6,858人が調査に参加している。

 同調査では、宮城県内自治体が実施する特定健康診査の会場に調査スタッフが出向く方式と、県内7ヵ所に設けた地域支援センターに地域住民の方々に来所してもらう方式で、地域住民の協力を募っている。

 今回公表された調査は、2013年度に宮城県内の自治体が実施する特定健診会場で協力した人々に対し、調査票と質問に答えてもらう形で行われた。

 「うつ病自己評価尺度」(CES-D)で抑うつ傾向をしたところ、有効な回答が得られた7,285人のうち28%の住民に抑うつ傾向(スコア16点以上)がみられた。

 内陸部(涌谷町、大崎市、丸森町)に比べ、沿岸部(気仙沼市、南三陸町、石巻市、東松島市、七ヶ浜町、多賀城市、山元町)住民の方ほど有病率が高く、性・年齢を調整したオッズ比は1.4(95%信頼区間1.2-1.6)倍だった。

 また、震災を思い出すことによる苦痛で生活に支障や影響が出る心的外傷後ストレス反応(PTSR)の疑いがある人が4%に上った。こちらも沿岸部の方が内陸部より2.4(95%信頼区間1.6-3.7)倍多いことも明らかになった。

 ただし、同機構は今回の調査について、特定健診を受診し調査への協力の意思を示した、健康意識の比較的高い人を対象としており、「実際の抑うつ傾向やPTSRの割合はさらに高い可能性ある」としている。

 同機構は今回の調査結果から、「沿岸部においてメンタルに対するサポートの重要であることが裏付けられた」としている。

 調査票結果から、抑うつ傾向が強い人やPTSRにより生活に支障が出ている人には心理士が電話で連絡をとり、必要な人には電話や面接での継続した支援を行い、また、医療機関、相談機関につなぐなどの支援を行っているという。支援実施は2015年4月末までに延べ600人以上に上っている。

 一方で、震災後に心不全による入院が急増したことから、増加が懸念されていた潜在性心不全の割合やヘリコバクター・ピロリ菌の感染者については、内陸部と沿岸部で差がないことが明らかになった。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
地域住民コホート調査(東北メディカル・メガバンク機構)
[Terahata]
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