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3時間後の熱中症発症リスクが10分で分かる 東北大などが開発
2015年08月18日
東北大学サイバーサイエンスセンター、名古屋工業大学、日本気象協会の共同研究グループは、年齢や性別など個人特性を考慮したシミュレーション技術をスーパーコンピューターに実装・高速化し、3時間後の熱中症リスクを10分で評価する技術の開発に成功した。
3時間の熱中症リスクの変化を10分で評価
今回の共同研究は、各機関がこれまで進めてきた技術や研究成果を持ち寄り、年々深刻化する熱中症のリスク対策を一般に向けて活用し、これまで以上に場面に応じた熱中症対策に役立てるために進められたもの。
共同研究グループは、(1)名古屋工業大学による乳幼児や高齢者などの個人特性を考慮した熱中症リスク評価のための「複合物理・システムバイオロジー統合シミュレーション技術」の開発、(2)東北大学サイバーサイエンスセンターのスーパーコンピューターによる効率的な実装・高速化、(3)日本気象協会の予測データを用いた3時間の熱中症リスクの変化を10分で評価する技術の開発――という3点を主に行った。
これにより、3時間後の熱中症リスク評価に要する解析時間を成人男性で45秒、3歳児では15秒まで短縮することに成功。年齢や性別など複数の人体モデルと熱調整機能のばらつきなど複数のパターンのデータを並列的に処理した場合、10分以内に大半の人口をカバーした評価が可能になるという。
今後は、大規模なスポーツ大会や屋外イベントなどにおいて熱中症リスク評価シミュレーションを準リアルタイムで実施できるようになるという。また、日本気象協会では、気象予報情報と組み合わせた新しい熱中症に関する情報提供や予防の呼びかけに活用していく予定だ。

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