ニュース

3時間後の熱中症発症リスクが10分で分かる 東北大などが開発

 東北大学サイバーサイエンスセンター、名古屋工業大学、日本気象協会の共同研究グループは、年齢や性別など個人特性を考慮したシミュレーション技術をスーパーコンピューターに実装・高速化し、3時間後の熱中症リスクを10分で評価する技術の開発に成功した。
3時間の熱中症リスクの変化を10分で評価
 今回の共同研究は、各機関がこれまで進めてきた技術や研究成果を持ち寄り、年々深刻化する熱中症のリスク対策を一般に向けて活用し、これまで以上に場面に応じた熱中症対策に役立てるために進められたもの。

 共同研究グループは、(1)名古屋工業大学による乳幼児や高齢者などの個人特性を考慮した熱中症リスク評価のための「複合物理・システムバイオロジー統合シミュレーション技術」の開発、(2)東北大学サイバーサイエンスセンターのスーパーコンピューターによる効率的な実装・高速化、(3)日本気象協会の予測データを用いた3時間の熱中症リスクの変化を10分で評価する技術の開発――という3点を主に行った。

 これにより、3時間後の熱中症リスク評価に要する解析時間を成人男性で45秒、3歳児では15秒まで短縮することに成功。年齢や性別など複数の人体モデルと熱調整機能のばらつきなど複数のパターンのデータを並列的に処理した場合、10分以内に大半の人口をカバーした評価が可能になるという。

 今後は、大規模なスポーツ大会や屋外イベントなどにおいて熱中症リスク評価シミュレーションを準リアルタイムで実施できるようになるという。また、日本気象協会では、気象予報情報と組み合わせた新しい熱中症に関する情報提供や予防の呼びかけに活用していく予定だ。
東北大学サイバーサイエンスセンター
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2023年08月09日
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年07月28日
2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
2023年07月24日
標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
2023年07月11日
自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
2023年06月20日
肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
2023年06月12日
自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
2023年06月05日
要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
2023年05月19日
令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
2023年05月18日
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶