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飲酒・喫煙の年齢引き下げに「反対」 禁煙学会などが要望書
2015年09月09日

選挙権年齢の引き下げにあわせ、飲酒や喫煙ができる年齢も18歳以上とする提言を自民党が検討している問題について、喫煙や飲酒、依存症の問題に取り組む日本禁煙学会などの15団体が都内で会見を開き、「健康へのリスクをふまえ喫煙・飲酒の年齢制限緩和に強く反対する」という要望書を提出した。
喫煙・飲酒の年齢制限緩和に「反対」
要望書を提出したのは日本禁煙学会や、日本アルコール関連問題学会、アルコール薬物問題全国市民協会など15団体。飲酒可能年齢の引き下げは、「依存症や生活習慣病などの健康リスクや、事故、暴力などの社会問題リスクを高め、教育現場に混乱をもたらす」と指摘している。
要望書では、飲酒年齢の低下は、急性アルコール中毒、臓器障害、アルコール依存症の増加を招くと指摘。飲酒開始年齢が早ければ早いほど、将来、アルコール依存症になるリスクが高くなり、さらに短期間で依存がつくられることが多くの研究で確かめられている。
動物実験では、ヒトの思春期にあたる若いラットと大人のラットでは、若いほうがアルコール分解速度が遅いことが報告されている。アルコールの分解が遅ければ、アルコールはより長く体内に留まり、急性アルコール中毒や臓器障害のリスクを高め、依存の進行をより早めることになる。
また、飲酒運転による事故、暴力事件、問題ある性行動や妊娠などのリスクを高めるおそれがある。脳の発達過程において、十代は成人に比べて相対的に理性より感情優位になりやすく、飲酒年齢の低下は、飲酒運転事故、暴力事件、問題ある性行動、他の薬物乱用を招くという。
さらに、18歳で飲酒が解禁されれば、飲酒できる高校3年生があらわれることになり、学校現場の混乱が予想される。18歳未満の高校生にも飲酒が広まる可能性が高い。
すでに飲酒可能年齢を引き下げた国では問題の増大を経験し、年齢を引き上げたり、引き上げを検討しているという。
日本禁煙学会、日本アルコール関連問題学会など15団体が発表した要望
喫煙・飲酒の年齢制限緩和に強く反対します
1. 喫煙・飲酒には止めようとしても容易に止められない強力な「依存性」があります。
2. これらの行為を始める年齢が若いほど、依存が強く形成されます。
3. 日本人の健康を害する最大要因とされている喫煙について、現在より規制を強化することはあっても、けっして緩和すべきではありません。
4. 喫煙は多くの疾患の原因になることが判明しており、青壮年死亡を増加させます。また、国の財政面で考えた場合にもマイナスなのです。
5. 以上の理由から、喫煙や飲酒開始年齢を遅らせるために様々な法律的対策が講じられてきました。たとえば、わが国では、「未成年者喫煙禁止法」が若年者の喫煙開始を防ぐ上で大きな役割を果たしてきました。
6. 18才で選挙権が付与されるのだから喫煙や飲酒を行うかどうかは成人としての自己の判断に任すべきだ、とする自民党特命委員会の主張は、一見「選択の自由」を尊重しているように見えますが、これは、これらの行為に強力な依存性があることを無視しています。
7. 米国医学研究所によれば、解禁年齢を21歳に引き上げるとタバコ関連の早死が25万人減るとしています。
8. 以上より、現行の喫煙・飲酒の年齢制限の維持は言うまでもなく、さらに、より高年齢に改正すべきであると考えます。
日本禁煙学会
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