ニュース

「コンビニ健診」で特定健診の受診率を向上 近所で受けられると好評

 特定健診の受診率を向上させようと、佐賀県は9月6日、コンビニエンスストア大手のローソンで「コンビニ健診」を実施した。
身近なコンビニで特定健診を受けられると好評
 佐賀県は、特定健診とがん検診の受診率向上を目指し、日常生活で利用するコンビニエンスストアを検診会場とするモデル事業を実施した。昨年は2回実施し、今回が4回目になる。

 同県の特定健診受診率は、2012年度は42.4%と目標の70%を大きく下回っている。また、がん検診の受診率は胃がん17.8%、肺がん26.8%、大腸がん25.5%(それぞれ目標は40%)、乳がん47.4%、子宮がん52.6%(それぞれ目標60%)と低迷している。

 そこで、同県は、特定健診とがん検診の受診率を高めようと、高齢者向けの複合施設内のローソンでの特定健診とがん検診の実施を計画。全国健康保険協会(協会けんぽ)佐賀支部、ローソン、佐賀県医師会成人病予防センターなどの協力を得て「コンビニ健診」実施した。

 当日は身近なコンビニで特定健診を受けられる手軽さから、30~80代の男女計99人が参加した。対象となったのは、2014年度に特定健診やがん検診を受けていない人。40歳?74歳で佐賀市国民健康保険加入者は1,000円、協会けんぽ加入の被扶養者は500円で健診を受けることができる。

 来場者はコンビニで受け付けを済ませた後、店舗の駐車場に入れた検診車で身体測定や血液検査などを受け、隣接する高齢者向けの施設で医師による問診を受けた。9月が「がん征圧月間」であることに合わせて、がん検診にも幅を広げて肺がんのエックス線検査なども実施した。
医療機関より気軽に行け情報が伝わりやすい
 コンビニ健診は兵庫県尼崎市に次いで全国で2番目の試み。コンビニを活用した特定健診・がん検診の実施としては全国最大規模だという。

 参加者からは「自宅から近く、休日に健診、子育て中でしたので助かりました。近くで受けられるのは働く母親にとってはありがたい」といった声が寄せられた。

 コンビニは受診を控えていた人にとって医療機関より気軽に行け、健診開催の情報が伝わりやすい。店側にとっても健診の受け付けなどの業務が増えるものの、健康増進のイメージの定着にもつながるというメリットがある。

 心筋梗塞や脳卒中、糖尿病に代表される生活習慣病の根幹にあるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の概念は、症状で出ておらず投薬するほどでない状態から、一次予防を進めようというものだ。

 厚生労働省の国民生活基礎調査(2013年)によると、健診などを受けなかった主な理由として「時間が取れない」「必要な時はいつでも医療機関を受診できる」「面倒だから」が挙がっている。

 未病の段階から生活改善に取り組むきっかけになるという特定健診の基本的な考え方が浸透すれば、このような理由による未受診は減る可能性ある。

コンビニ健診・啓発イベントの取組(佐賀県)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2023年02月24日
がん検診発見例が減り早期がんも減少傾向だが、現時点での評価は困難
国立がん研究センター「院内がん登録全国集計」速報値より
2023年01月20日
保健師など保健衛生に関わる方必携の手帳「2023年版保健指導ノート」
2023年01月17日
【特定健診】40歳以上の半数は生活習慣病かその予備群 健診受診率の引き上げと、働く人のヘルスリテラシーを向上することが課題に
2023年01月16日
わずか「1分間の運動」でも健康効果が 忙しい人も仕事や家事の合間に簡単な運動を行うと寿命を延ばせる
2023年01月05日
特定保健指導は効果があった! 肥満指標はわずかに改善 血糖や中性脂肪も 582万人のデータを解析
2023年01月04日
【もっとも読まれたニュース トップ10】変化の年だった2022年 保健指導リソースガイド
2022年12月20日
健診で「腎臓病」を指摘されても、医療機関で診断を受けたのは5年以上も後 理解促進と対話の場が必要
2022年12月15日
日本産業保健師会が「新任期産業保健師養成研修」「産業保健師リーダー養成研修」を開催 
参加型研修を重視し、キャリアラダーに基づいた産業保健師のための研修会
2022年12月12日
13種類のがんを1回の血液検査で発見できる次世代診断システム 「がんの種類」を高精度で区別 がん研究センターなど
2022年12月06日
40歳未満の健診情報もマイナポータルで確認・閲覧可能へ
若年世代からの生活習慣病予防・健康づくりを
アルコールと保健指導

トピックス・レポート

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日・約11,000通)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶